専用線とは
専用線は、特定の拠点間や利用者専用として継続的に提供される通信回線です。英語ではleased line(リースト・ライン)またはleased circuit(リースト・サーキット)と呼びます。
典型的には企業の本社と支店、データ中心とクラウド接続拠点など、決めたサービスアクセスポイント間を常時利用できるポイントツーポイントサービスとして契約します。帯域、遅延、ジッター、可用性、故障回復などの条件を個別に定められます。
利用者専用なのは、契約された通信サービスまたは論理経路です。提供ネットワークの全光ファイバー、duct、スイッチ、伝送装置を一社だけが物理的に占有するとは限りません。

契約される六つの境界
A地点とZ地点など、サービスアクセスポイントとインターフェースを指定します。
上り・下り比率、committed比率、突発的な集中、フレーム大きさ等を定めます。
遅延、ジッター、損失、可用性の測定条件と目標を定めます。
CPE、ネットワーク終了、宅内配線のどこまでが事業者責任かを定めます。
故障受付、監視、保守時間、復旧目標、計画停止の扱いを決めます。
二重アクセス、経路分離、装置・局・電源分離を選択肢として設計します。
物理専用と論理専用がある
dark光ファイバーや一対一の波長サービス・ポートを使う物理的な構成もあれば、MPLS、Ethernet仮想接続、SDH・OTN等の共有装置上で契約帯域と転送経路を論理的に分離する構成もあります。
基盤を共有しても、他利用者が宛先へ自由に参加できるパブリックInternetとは接続モデルが違います。専用性の意味はサービス仕様、トラフィック分離、容量条件、保護で確認します。
常時接続と帯域保証は別の性質
専用線はdial-upのように通信ごとに呼び出しを確立せず、継続的に利用できるサービスです。しかし「常時接続」と書くだけでは最低帯域・遅延・可用性の保証範囲は決まりません。
CIR、SLA、メンテナンス時間窓、測定点、除外条件を確認します。SLA未達時も自動的に損害全額が補償されるとは限らず、サービスcredit等の条件が契約に定められます。
プライベートな経路と暗号化を混同しない
専用線は第三者が自由に接続できない閉じた経路を作れますが、ペイロードを暗号化する性質とは別です。事業者設備、誤設定、保守、拠点侵害を考慮し、必要ならIPsecやMACsec等を重ねます。
逆にVPNはパブリックInternet上でも暗号化トンネルを作れます。経路の専用性、帯域品質、暗号化、認証を個別に比較します。
Internet回線とは届け先の範囲が違う
一般のInternetアクセスはISPから世界中のreachableネットワークへ経路を得ます。二拠点専用線は、まず契約された拠点同士を結ぶサービスです。Internetへ出るには接続先拠点のゲートウェイや別Internetアクセスを設計します。
L2サービスなら利用者ルーターがIP経路制御を担い、L3VPNサービスなら事業者が経路表を分離して複数拠点を接続します。専用線という販売名だけでは層を判断しません。
冗長化は「二本ある」より故障原因の分離を見る
二回線が同じ管路、橋、局、電源、CPE、建物入口を共有すれば、一つの故障で両方切れる可能性があります。物理経路、局、通信事業者、電源、ルーター、経路制御プロトコルを確認します。
専用線は「二地点間の契約された通信サービス」と捉え、媒体所有ではなくエンドポイント、帯域、品質、分離、責任分界、冗長経路を仕様で読みます。
leased-line subscriptionを専用private connectionとし、物理cableまたは二地点間に予約されたvirtual connection、契約されたQoS条件を持つとする定義:ITU「Handbook for the collection of administrative data on telecommunications/ICT」。point-to-point dedicated leased circuitのservice定義:ITU-T M.3208.1