スループットとは
スループットは、一定時間に実際に転送できたデータ量で、通信処理の制御情報を含む場合があります。英語はthroughput(スループット)で、ビット/s、バイト/s、パケット/s、要求/sなど、何を数えるかに合う単位を使います。
ネットワークでは観測点を通ったIPパケット量、TCPペイロード、アプリへ届いたファイル量などを時間で割ります。ヘッダーや再送を含むかは測定層で変わるため、単位だけでは定義が完了しません。
スループットは装置や回線の公称上限ではなく、決めた区間・時間・負荷で実際に処理できた率です。何を成功として数えたかを必ず添えます。

一つの転送を、層ごとの分子へ分ける
符号化、プリアンブル、待ち時間を含む媒体利用の基礎レート
Ethernet・Wi‑Fiのヘッダー、制御、確認、再送を含む観測
IPヘッダーと上位ペイロードを数え、リンク固有部分を除く
TCP・QUIC等の制御情報を分け、届けた上位データを数える
HTTP本文や保存ファイルなど、処理が受領したバイトを数える
重複、圧縮外側、不要データを除くグッドプットとして評価する
Capacityは上限、利用可能容量は今使える余地である
RFC 5136は、物理リンクの理論最大、IP層容量、他トラフィックを除いて利用できる利用可能容量を分けます。スループットは、その条件で実際に転送した結果です。
利用者が少ない時間でもプロトコル付加量と機器処理で上限へ届かない場合があります。混雑時には他フローの使用分だけ余地が減ります。公称容量、利用可能余地、今回の実測を三段に分けると比較できます。
経路では最も厳しい区間と処理が上限を作る
端末NICが2.5 Gbpsでも、ルーターWANが1 Gbps、回線が500 Mbps、相手が200 Mbpsに制限されれば、一フローの終端間スループットは最も厳しい条件を超えません。
ボトルネックはリンクだけでなく、VPN暗号、NAT、ファイアウォール検査、サーバーCPU、ディスク、アプリの要求処理数でも生じます。ポートカウンターとCPU・キュー・ディスクを同じ時刻で記録します。
TCPはRTT・受信窓・損失・輻輳制御に影響される
TCPは未確認のまま送れる量を窓で制御します。高帯域・長RTTの経路を満たすには、bandwidth-delay製品に見合う送受信バッファーが必要です。窓が小さいと確認待ちで回線が空きます。
損失やECNなどの輻輳信号を受けると送信量を減らします。短い転送はスロースタートの途中で終わり、長い測定より低くなる場合があります。一接続と複数並列接続の結果を分けます。
Wi‑Fiでは電波時間を共有し、遅い端末の送信も時間を使う
無線端末は同じチャンネルで送信順を競い、管理フレーム、確認応答、再送も通信時間を使います。PHY比率が低い端末は同じバイトを送るのに長く占有し、他端末のスループットへ影響します。
信号強度だけでなく、チャンネル混雑、再送率、チャンネル幅、空間ストリーム、上り・下り、AP処理を見る必要があります。有線測定と比較して無線区間を分離します。
測定器自身がボトルネックでないことを確かめる
速度テストは端末CPU、ブラウザー、暗号、メモリー、測定サーバー、経路に依存します。一台で低いときは別端末・別サーバー・ネイティブアプリでも測り、LAN内テストで端末とルーターを確認します。
結果には、方向、時間、持続時間、単一・複数フロー、プロトコル、観測層、端末、接続方法、測定先を保存します。ピーク値だけを契約値と比較しません。
定義の確認資料:RFC 1242「Benchmarking Terminology」、RFC 5136「Defining Network Capacity」、RFC 6349「Framework for TCP Throughput Testing」