用語辞典・速度・品質

帯域幅

帯域幅とは

帯域幅は、通信路が理論上または設定上利用できるデータ伝送能力の幅です。英語はbandwidth(バンドウィズ)です。ネットワーク会話では「一秒あたりに運べる量」という容量に近い意味で使われます。

もともと信号・無線の文脈では、占有する周波数の範囲をHzで表す語です。20 MHzチャンネルの帯域幅と、100 Mbps回線の帯域を同じ単位へ直接換算はできません。変調・符号化・信号品質などが両者を結びます。

帯域幅は通路の収容力を表す概念で、個々のデータが進む速さ、実際に利用者が得たスループット、応答までのレイテンシとは別です。

幅の違う通信路が同じ時間に収容できるパケット量を比べる経路全体では最も狭い部分と共有利用が実際の余地を決める
細い・中間・広い三本の通信路が異なる数のパケットタイルを収容し、下段では広い経路の途中に狭いボトルネックがあり全体の通過量を制限する帯域幅のピクトグラム図解
図1管の太さは容量を理解する比喩です。データが物理的な箱として詰まるという意味ではありません。

経路の帯域を、区間と利用状態で読む

一つの「帯域」を、物理上限・IP上限・利用可能分・実測へ分けるどの時点の余地かを示し、最大値と保証値を混ぜない
  1. 物理
    媒体・方式の公称上限

    信号方式が理論上支えられる総量。符号化や物理条件を含む

  2. IP
    IP層の容量

    リンク固有の付加情報を除き、IPパケットへ使える最大率を考える

  3. 利用可
    利用可能容量

    他の通信が使う分を除き、指定時点で新しいフローが使える余地

  4. 割当
    予約・制限された量

    QoS、契約、シェーピング、ポリシーで一利用者へ許す範囲

  5. 実測
    得られたスループット

    端末とプロトコルが条件下で実際に転送できた量を測る

図2利用可能容量は時間とともに変わります。一回の実測値を恒久的な帯域上限へ置き換えません。

周波数帯域幅とデータ容量は、関係するが同じ量ではない

無線の20 MHz、80 MHzは利用する周波数範囲の幅です。広いチャンネルは一度に多くの情報を載せやすい一方、利用できるチャンネル数、雑音、送信電力密度、端末対応、変調方式の条件があります。

Ethernetの100 MHzと100 Mbpsを一対一に対応させることもできません。信号品質と符号化効率を含む物理方式が、周波数資源からビット/sの能力を作ります。文脈と単位を確認します。

経路は、最も狭い区間を越えて運べない

端末LANが10 Gbps、アクセス回線が1 Gbps、相手の出口が500 Mbpsなら、一つの終端間転送は最狭部を超えません。トンネルやVPNの暗号処理、装置のパケット/s上限も実質的なボトルネックになります。

ただし複数フローが別経路・別サーバーへ分散すれば、合計値と一フロー上限は異なります。装置全体の集約帯域と、同じ経路を通る一接続の帯域を分けます。

共有帯域では、利用可能分が時刻ごとに変わる

Wi‑Fi、モバイル、ケーブル回線、事業者の上位リンクなどは複数利用者で資源を共有します。他の通信が少ないときは多く使え、混雑時は送信順・割当・輻輳制御で一利用者のスループットが下がります。

「最大1 Gbps」は物理・サービス上限を示しても、自分専用の1 Gbps予約ではない場合があります。ベストエフォート、最低保証、帯域確保、SLAの条件を契約資料で分けます。

帯域幅が大きくても、応答時間が短いとは限らない

広い回線は大きなファイルの伝送時間とキュー発生を減らせますが、遠距離の伝搬、DNS、接続確立、サーバー処理は残ります。小さな要求を一個送る操作では、1 Gbpsと10 Gbpsの差よりRTTが支配的なことがあります。

一方、容量不足でキューが伸びるとレイテンシは増えます。帯域幅とレイテンシを独立した指標として測りながら、負荷時には相互作用も確認します。

高帯域・長遅延の経路には、多くの飛行中データが必要である

帯域幅とRTTを掛けたbandwidth-delay product(バンドウィズ・ディレイ・プロダクト、帯域遅延積)は、経路を満たすため飛行中に必要なデータ量の目安です。

1 GbpsでRTT 100 msなら約100 megabit、約12.5 MBが往復確認を待ちながら経路上に存在し得ます。TCP窓やバッファーが小さいと、物理帯域が空いていても一接続で満たせません。

帯域測定は、負荷を発生させる行為でもある

利用可能容量を知るため大きなデータを送る速度テストは、実際に共有回線を占有し、ほかの利用者や低遅延通信へ影響します。パッシブな使用量観測とアクティブな負荷試験を分けます。

方向、時間帯、単一・複数フロー、測定先、持続時間、同時利用者、リンク表示を記録し、業務時間の大規模試験は管理範囲と影響を確認して実施します。

定義の確認資料:RFC 5136「Defining Network Capacity」RFC 1242「Benchmarking Terminology」

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