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パケットロス

パケットロスとは

パケットロスは、送信したパケットの一部が宛先へ届かない、または応答として戻らない状態や割合です。ここでいうパケットは、ネットワークが宛先へ運ぶデータの単位です。英語はpacket loss(パケット・ロス)で、日本語ではパケット損失とも呼びます。

測定では「送った個数を分母、届かなかった個数を分子」として百分率を求めます。ただし、一方向に届かなかったのか、応答が返らなかったのか、期限を過ぎて損失扱いしたのかで意味が変わります。

パケットは途中で目に見えて消えるだけでなく、キューから廃棄される、無線再送に失敗する、経路変更中に届かない、遅すぎて測定期限を超えるなど複数の理由で損失として観測されます。

連続したパケットの一つが途中キューで廃棄され、受信列に欠番ができる失った位置と理由は、送信側の損失率だけでは確定しない
送信端末から三台のルーターを通る連続ファイルパケットの一つが満杯の待ち行列から廃棄され、受信端末側の列に欠けが生じ、成功と損失を点の割合で示すパケットロスのピクトグラム図解
図1図はキュー廃棄の例です。実際の損失位置は端末、無線区間、回線、経路、相手側など別の場所にもあります。

観測した「届かない」を、経路の段階へ分ける

送信前、リンク、キュー、経路、宛先、応答のどこで欠けたかを探す一地点の百分率をネットワーク全体の原因名にしない
Sender送信元で落ちる

アプリ・OSの送信バッファー不足、CPU負荷、レート制御で出発しない

Link媒体で破損する

無線干渉や物理エラーが再送限界を超え、フレームを渡せない

Queue待ち行列から廃棄

到着率が出口能力を上回り、バッファーが満杯またはAQMが通知する

Route転送経路で失う

経路収束、MTU、ACL、トンネル、機器障害などで次へ進めない

Receiver受信側で処理できない

NIC・OS・アプリのバッファー、ポート状態、負荷で受け渡せない

Return応答だけ戻らない

要求は届いても、応答生成・復路・制限で測定元へ返らない

図2パケットキャプチャーや機器カウンターを複数地点で照合できると、最後に見えた場所と最初に見えない場所の間へ範囲を絞れます。

一方向損失とPingの往復損失は同じではない

一方向損失は送信元から宛先へ試験パケットが届いたかを測ります。両端で送受信を記録し、時計・識別子・測定期間を合わせます。往路と復路の状態が違う非対称経路も個別に見られます。

PingはEcho要求と応答の往復が完成しないと損失表示になります。要求の往路、相手の応答制限、応答の復路のどこが原因かは単独では分かりません。測定方向と応答の必要性を明記します。

「遅すぎる」と「失われた」を分ける期限が必要である

測定器は無限に待てないため、一定時間を超えたパケットを損失とします。期限を短くしすぎると、大きな遅延のパケットを誤って損失へ数えます。長すぎると結果確定が遅れます。

リアルタイム再生では、再生期限を過ぎたパケットは後で届いても役に立たず、実質的な損失です。ファイル転送では遅着パケットを再構成に使える場合があります。用途ごとの締切を分けます。

TCPは再送するが、損失の影響を消すわけではない

TCPは受信確認とシーケンス番号から欠落を推定し、必要なデータを再送します。アプリへは順序どおりのバイト列を渡しますが、再送待ちの間は後続データも待ち、スループットが低下します。

損失を輻輳の信号として送信量を減らすため、少ない損失でも長いRTTの高速経路では大きく効く場合があります。再送で最終ファイルが完全だから「損失なし」とは言いません。

音声・映像は、再送より締切を優先する場合がある

リアルタイム音声は古いパケットを再送しても再生時刻に間に合わないため、パケット損失concealmentで前後の音から補ったり、無音化したりします。映像は差分フレームの損失が後続へ波及し、キーフレーム要求が必要になることがあります。

FECで冗長パケットを送り一部欠落から復元する方式もありますが、帯域を追加で使います。損失率、RTT、締切、利用可能帯域から再送・冗長化・画質低下を選びます。

平均損失率が同じでも、連続損失は影響が大きい

1000個中10個が離れて失われる1%と、10個が連続して失われる1%は、音声・映像・TCPへ異なる影響を与えます。無線の一時遮断、経路切替、キューの突発的満杯は突発的な集中損失を作ります。

総数と百分率だけでなく、シーケンス番号、連続長、方向、パケットサイズ、時刻、負荷状態を保存します。短い測定で0%でも長時間の周期的損失は否定できません。

測定定義の確認資料:RFC 2680「A One-way Packet Loss Metric」RFC 6673「Round-Trip Packet Loss Metrics」RFC 2914「Congestion Control Principles」

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