固定IPアドレスとは
固定IPアドレスは、契約やネットワーク管理者の設定によって、同じ機器や接続先が継続して同じ値を使えるように割り当てるIPアドレスです。英語ではstatic IP address(スタティック・アイピー・アドレス)と呼びます。
固定IPアドレスは、契約やネットワーク管理者の設定によって、同じ機器や接続先が継続して同じ値を使えるように割り当てるIPアドレスです。
ここでいう「固定」は、値が世界中で永久に変わらないという意味ではありません。決められた契約・ネットワーク・設定の範囲で、同じ値を継続利用できるという運用上の性質です。契約の終了、ネットワーク構成の変更、管理者による再設定があれば値は変わります。

「固定」と「グローバル」は別の分類
グローバルIPアドレスかプライベートIPアドレスかは、そのアドレスがどの範囲で使われるかの分類です。固定か動的かは、同じ値を継続して使う割り当てかという別の分類です。
そのため、家庭内のプリンターに固定したプライベートIPを設定することも、通信事業者と固定グローバルIPを契約することもできます。「固定IPを申し込めば、すべての端末のIPが同じ値になる」という意味ではありません。
同じ値を使わせる方法は三つある
端末へ手動設定
端末自身にアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイなどを入力します。自動配布の範囲と重ならない値を管理者が選びます。
DHCPで予約
DHCPサーバーが特定の端末へ同じアドレスを配ります。設定をサーバー側へ集約でき、端末は自動取得のまま運用できます。
事業者との契約
回線や接続サービスへ固定グローバルIPが割り当てられます。家庭内の各端末へ直接同じ値が付くわけではありません。
アドレスだけでなく、周辺設定も一組で管理する
端末へ手動設定するときは、IPアドレスだけでなく、サブネットマスクまたはプレフィックス長、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーもネットワークに合わせます。別の端末と同じアドレスを設定すると、アドレス重複によって通信が不安定になります。
DHCP予約では、端末を見分ける識別情報が変わると予約が一致しない場合があります。機器交換やプライバシー保護用のランダムなMACアドレスを使うときは、予約側の登録も確認します。
固定IPが役立つ場面
- 家庭や社内の機器
- プリンター、NAS、監視装置など、毎回同じ宛先で接続したい機器に向きます。名前解決を使える場合は、IPの暗記を減らせます。
- 外部公開するサーバー
- サーバーの宛先をDNSへ登録し続けたいときに扱いやすくなります。ただし、固定IPだけでは外部公開されません。
- 接続元の許可リスト
- 特定の送信元IPだけを許可する仕組みで使われます。共有アドレスや経路変更がある環境では、契約内容まで確認が必要です。
値が変わらないことは、通信が安全であることを保証しません。外部から到達できる構成では、ファイアウォール、認証、更新、公開する機能の限定が別に必要です。
仕様の確認資料:RFC 2131「Dynamic Host Configuration Protocol」、RFC 5737「IPv4 Address Blocks Reserved for Documentation」