インターネットとは
インターネットは、家庭、会社、学校、通信事業者、データセンターなどが持つ多数のネットワークを、共通の通信規則(プロトコル)で結んだ「ネットワークの集合」です。
一台の巨大な機械や、一社が所有するサービスを指す言葉ではありません。管理者の異なるネットワーク同士が約束をそろえ、宛先までデータを受け渡せる状態になった全体を指します。
「ネットワークの集合」とはどういうことか
ここでいうネットワークは、端末や機器が互いにデータを送受信できる範囲です。たとえば自宅では、スマートフォンやパソコンがWi-Fiなどでルーターにつながり、一つの家庭内ネットワークを作ります。会社や大学、携帯電話会社、データセンターも、それぞれ別のネットワークを運用しています。
家庭のネットワークが直接すべての接続先と線を結んでいるわけではありません。通常は光回線や携帯回線などを通ってISP(Internet Service Provider/インターネット・サービス・プロバイダー)のネットワークへ入り、さらに接続先まで複数のネットワークを渡っていきます。
この受け渡しを可能にする中心的な考え方がTCP/IPです。TCPはTransmission Control Protocol(トランスミッション・コントロール・プロトコル)、IPはInternet Protocol(インターネット・プロトコル)の略です。TCP/IPは一つの規則名ではなく、データの宛先、分割、転送、到着確認などを分担する複数の通信規則のまとまりを指します。
Webページが画面へ届くまで
インターネットの役割は、スマートフォンでWebページを開く場面に置き換えると見えやすくなります。画面にページが現れるまでには、次のような要求と応答が行われます。
- 端末から外部ネットワークへ出る
端末のデータは家庭内のルーターへ渡り、回線とISPのネットワークを通って外部へ進みます。Wi-Fiは主に端末からルーター付近までをつなぐ技術であり、その先のインターネット接続とは別の区間です。
- 小さく分けたデータを中継する
送るデータはパケットと呼ばれる単位に分けられます。途中のルーターは宛先情報を見て、次に渡すネットワークを選びます。通信の状況によって経路が変わることもあります。
- サーバーの応答を画面に組み立てる
接続先のWebサーバーが文書や画像などを返し、ブラウザが受け取った内容を画面へ組み立てます。利用者には一枚のページに見えても、裏側では複数回の通信が行われることがあります。
Web・Wi-Fi・回線・ISPとの違い
これらは同じ場面に登場しますが、担当する範囲が違います。名前を暗記するより、何と何をつなぐのかで区別すると理解しやすくなります。
Web
Webページをリンクで結び、ブラウザから閲覧できる仕組みです。Webはインターネット上で使うサービスの一つで、インターネット全体と同じ意味ではありません。
Wi-Fi
端末とアクセスポイントやルーターを無線でつなぐ技術です。Wi-Fiの電波が届いていても、ルーターから外へ出られなければインターネットは利用できません。
回線
光ファイバー、ケーブルテレビ網、携帯電話網などを使い、利用場所から通信事業者側までデータを運ぶ経路です。
ISP
利用者の回線をインターネットへ接続し、ほかのネットワークへデータを受け渡す事業者です。契約では回線と一体に見える場合もありますが、役割は分けて考えられます。
インターネット上で使われるサービス
インターネットはデータを相手へ届けるための共通基盤です。その上で、Web、メール、メッセージ、音声・ビデオ通話、オンラインゲーム、ファイル転送、ストリーミング、クラウドなど、目的の異なるサービスが動いています。
そのため、あるWebサイトが開かないだけでは「インターネット全体が止まった」とは限りません。特定のサイト、そのサイトのサーバー、DNS、ブラウザなど、一部分だけに問題が起きている可能性もあります。
インターネットは誰が管理しているのか
インターネット全体を所有し、すべてを操作する一社はありません。家庭内はその利用者や管理者、事業者網は各通信事業者、サーバーはサービスの運営者というように、それぞれの範囲を別の組織が管理しています。
それでも世界規模で通信できるのは、通信規則を公開された技術仕様としてそろえ、IPアドレスやドメインが重複しないように調整し、事業者同士がネットワークを接続しているためです。分散して管理しながら、共通の約束で協力することがインターネットの大きな特徴です。
通信階層とインターネットホストの確認資料:RFC 1122「Requirements for Internet Hosts — Communication Layers」