IPアドレスとは
IPアドレス(Internet Protocol Address/インターネット・プロトコル・アドレス)は、IPで通信するとき、ネットワーク上の通信元と宛先を識別し、パケットを届けるために使うアドレスです。一般には「アイピーアドレス」と読みます。
手紙の住所にたとえられますが、完全に同じではありません。IPアドレスは、人や建物へ永久に付く番号ではなく、通常は機器のネットワーク接続部分に、利用するネットワークの範囲に応じて設定される値です。
送信元192.0.2.10
- SRC
- 192.0.2.10
- DST
- 198.51.100.20
宛先198.51.100.20
IPアドレスが必要な理由
インターネットは、管理者の異なる多数のネットワークを接続しています。パケットを目的のネットワークまで運ぶには、通信規則だけでなく、送信元と宛先を表す値が必要です。IPヘッダーには、そのための送信元IPアドレスと宛先IPアドレスが入ります。
IPアドレスだけでアプリまで決まるわけではありません。同じ機器上で動くWeb、メールなどの通信相手をさらに分けるときは、TCPやUDPのポート番号などを組み合わせます。
IPv4とIPv6では、長さと表記が違う
192.0.2.100〜255の十進数を
ピリオドで4組に区切る
2001:db8::1016進数をコロンで区切り
連続する0を省略できる
GLOBAL広いネットワークで到達可能
PRIVATE / LOCAL決められた内部範囲で使用
LINK-LOCAL同じリンク内だけで使用
LOOPBACKその機器自身を指す
- IPv4
- Internet Protocol Version 4(インターネット・プロトコル・バージョン・フォー)の略です。IPアドレスは32ビットで、通常は
192.0.2.10のように十進数をピリオドで区切って表します。 - IPv6
- Internet Protocol Version 6(インターネット・プロトコル・バージョン・シックス)の略です。IPアドレスは128ビットで、通常は
2001:db8::10のように16進数とコロンで表します。
IPv6の::は、連続する0の組を一か所だけ省略した表記です。見た目の文字数が短くても、アドレス自体が短いわけではありません。
グローバル、プライベート、リンクローカルは有効範囲が違う
インターネット上で経路制御されるアドレスと、家庭や組織の内部だけで使うアドレスは区別されます。IPv4のプライベートアドレスは、決められた範囲を内部ネットワークで再利用できますが、通常はそのままインターネット全体へ転送されません。
同じリンク内だけで使うリンクローカルアドレスや、その機器自身を指すループバックアドレスもあります。IPアドレスを見たら、数字だけでなく「どの範囲で有効か」を一緒に読むことが重要です。
一台に一つ、永久に同じとは限らない
スマートフォンには、Wi-Fi用とモバイル回線用など、複数のネットワーク接続部分があります。それぞれへ別のIPアドレスが設定されることがあります。IPv6では、一つの接続部分が複数のアドレスを同時に持つこともあります。
接続するネットワークが変わる、契約先がアドレスを割り当て直す、有効期限を迎える、といった理由で値は変わります。家庭内のプライベートIPアドレスと、インターネット側から観測されるグローバルIPアドレスが異なる場合もあります。
ドメイン名とIPアドレスの関係
人が扱いやすいURLでは、接続先にドメイン名を使うことが一般的です。通信を始めるときは、DNS(Domain Name System/ドメイン・ネーム・システム)でドメイン名に対応するIPアドレスなどを調べます。
一つのドメイン名が複数のIPアドレスへ対応することも、一つのIPアドレスで複数のWebサイトを提供することもあります。したがって、ドメイン名とIPアドレスは常に一対一ではありません。
IPアドレスだけで個人や正確な場所は断定できない
接続先のサーバーは、通信を返すために送信元側のIPアドレスを扱います。ただし、その値が家庭内のどの人・どの端末かを直接表すとは限りません。複数端末で一つのグローバルIPアドレスを共有する仕組みや、事業者側で多数の利用者が共有する構成もあります。
IPアドレスから推定される地域や事業者情報には誤差があります。本人確認や現在地の断定を、IPアドレスだけで行うことはできません。
仕様の確認資料:RFC 791「Internet Protocol」、RFC 8200「IPv6 Specification」、RFC 4291「IPv6 Addressing Architecture」、RFC 1918