IPv6とは
IPv6(アイピー・ブイ・シックス)は、Internet Protocol Version 6(インターネット・プロトコル・バージョン・シックス)の略です。128ビットのIPアドレスを使い、送信元と宛先を表してパケットを運びます。
IPv6は、128ビットのIPアドレスを使い、より広いアドレス空間と簡素化された基本ヘッダーを備えたInternet Protocolの第6版です。
IPv4のアドレス不足へ対応するため、単に桁を増やしただけではありません。基本ヘッダーを整理し、自動設定やマルチキャストを活用する仕組みなどを組み合わせた、IPの別の版です。

16進数8組をコロンで区切る
IPv6アドレスは128ビットです。人が読む表記では16ビットずつ8組に分け、0から9とaからfを使う16進数で表し、コロンで区切ります。大文字と小文字は同じ値を表しますが、通常は小文字が使われます。
省略前2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0000:0021
各組の先頭の0を省略2001:db8:0:0:0:0:0:21
連続する0の組を省略2001:db8::21
::は、省略された0の組数を前後の組数から復元できるよう、一つのアドレス内で一度だけ使います。例は説明用に予約されたアドレスです。一つの機器に、役割の違う複数のIPv6アドレスが現れる
- グローバルユニキャスト
- 広いネットワークで一つの接続部分を識別するためのアドレスです。実際に通信できる範囲は経路設定やファイアウォールにも左右されます。
- リンクローカル
- 同じリンク内の通信に使うアドレスです。通常は
fe80::/10の範囲で、ルーターを越えて一般のインターネットへ転送されません。 - マルチキャスト
- 特定のグループに属する複数の接続部分へ送るためのアドレスです。IPv6にはIPv4のようなブロードキャストアドレスがなく、その役割の多くをマルチキャストが担います。
IPv6アドレスは機器そのものではなく、原則としてネットワークへ接続するインターフェースに付きます。同じパソコンでも有線LANとWi-Fiに別のアドレスが付き、一つの接続部分がリンクローカルとグローバルなど複数のアドレスを持つ場合があります。
アドレスは、ルーターから得た情報を使って作ることもある
IPv6端末は、ルーターが通知するプレフィックスなどを使うSLAAC(Stateless Address Autoconfiguration/ステートレス・アドレス・オートコンフィギュレーション)でアドレスを構成できます。管理された割り当てにはDHCPv6(Dynamic Host Configuration Protocol for IPv6/ダイナミック・ホスト・コンフィギュレーション・プロトコル・フォー・アイピー・ブイ・シックス)も使われます。
どちらを使うかはネットワークの設計によります。DNSなどの追加情報だけをDHCPv6で受け取り、アドレス自体はSLAACで作る構成もあります。
IPv4から一斉に置き換わるのではなく、併用しながら移る
IPv4とIPv6のパケットは形式が異なるため、IPv6対応端末がすべてのIPv4接続先へそのままIPv6で通信できるわけではありません。両方を使うデュアルスタック、IPv4通信をIPv6網の中で運ぶ方式、境界で変換する方式などが使われます。
ブラウザは接続先のDNS情報や到達状況を見て、通信ごとにIPv4またはIPv6を選ぶことがあります。端末にIPv6アドレスが表示されたことと、いま開いたサイトへIPv6で到達したことは別の確認です。
IPv6だから速い、NATがないから無防備、とは決まらない
IPv6は広いアドレス空間を持ちますが、速度そのものを保証する規格ではありません。実際の速さは、事業者網の混雑、経路、接続先、端末などで変わります。また、グローバルユニキャストアドレスが付いていても、家庭用ルーターや組織のファイアウォールが外部からの新しい通信を遮断する構成が一般的です。
仕様の確認資料:RFC 8200「IPv6 Specification」、RFC 4291「IPv6 Addressing Architecture」、RFC 5952「IPv6 Text Representation」