ISPとは
ISPは、利用者へインターネット接続を提供するInternet Service Providerです。正式名称はInternet Service Provider(インターネット・サービス・プロバイダー)で、一般にアイエスピーまたはプロバイダーと読みます。
家庭・会社のアクセス回線をISPネットワークへ収容し、加入者を認証し、IPアドレスと経路を与え、他のネットワークへパケットを運びます。再帰DNS、メール、セキュリティフィルター、サポートなどを併せて提供する場合もあります。
ISPはInternetそのものを一社で所有する組織ではありません。多数の独立したネットワークの一つとして、ピアリングやトランジットで他ネットワークと接続します。

利用開始時にISPが行う六つの役割
光ファイバー、ケーブル、モバイル、固定無線などのアクセスネットワークをISPエッジへ接続します。
PPPoE ID、回線情報、SIM認証等から利用可能計画と方針を選びます。
IPv4・IPv6アドレスまたはプレフィックス、ゲートウェイ、DNS情報を端末・ルーターへ渡します。
宛先プレフィックスと経路表から、ピアリング・トランジット・自ネットワーク内の経路へ転送します。
任意利用の再帰DNSリゾルバーを提供し、名前からアドレスを調べます。
容量、障害、不正利用、セキュリティ、請求を運用し、責任範囲の問い合わせへ対応します。
回線事業者とISPは物理区間とIP接続の役割が違う
回線事業者は自宅から収容局までの光ファイバーやケーブル等を提供し、ISPはその先でIP接続を収容する、と分かれる構成があります。一社が両方を提供する場合もあります。
光信号が届かない障害と、PPPoE認証・IPoE収容・ISP経路制御障害では確認先が変わります。ONU lamp、ルーターのWANアドレス、接続方式、障害情報から境界を分けます。
ピアリングとトランジットで世界のネットワークへ到達する
peering(ピアリング)は、二つのネットワークが互いの利用者・顧客への経路を直接交換する関係です。IXPで多数のネットワークと接続する場合があります。
transit(トランジット)は、上流事業者からインターネット全体に近い到達性を購入する関係です。ISPは複数経路を持ち、BGP方針、容量、障害に応じて利用経路を選びます。
IPv4とIPv6では提供方式が別々に見える
IPv4はグローバルアドレスを直接割り当てるほか、CGNATで共有する場合があります。IPv6は利用者ルーターへプレフィックスを委任し、家庭内の複数ネットワークへアドレスを作ります。
二重スタック、IPv4 over IPv6、PPPoE・IPoEなどにより、同じ契約でもアドレス系列ごとの経路・混雑点が違います。「インターネット接続済み」だけで両方の到達性は判断できません。
Webサイトやクラウドの内容はISPの外側にある
ISPはパケットを目的ネットワークへ運びますが、接続先Webサーバーのコンテンツ、アカウント、アプリケーション障害を管理するとは限りません。逆に、Webホスティング会社が利用者の家庭回線を提供するとも限りません。
特定サイトだけ開かない場合はDNS、経路、CDN、サーバー、ブラウザーを分けます。すべてのサイトが開かずWANアドレスもない場合はアクセス・ISP接続を先に調べます。
ISPを比較するときは速度以外も確認する
接続方式、IPv4アドレス共有、IPv6プレフィックス、混雑時容量、ピアリング、遅延、DNS選択、ポート制限、迷惑通信対策、固定アドレス、サポート、障害公開を確認します。
ISPは「入口から世界のネットワークへパケットを渡す役割」と捉え、家庭LAN、物理回線、ISP、上流ネットワーク、接続先サービスの五境界で不具合を切り分けます。
ISPが利用者へinternet accessを提供するnetworkであることの確認資料:Internet Society「Glossary of Internet Terms」。独立network間のpeering・transitと相互接続の確認資料:Internet Society「Internet Interconnection」