動的IPアドレスとは
動的IPアドレスは、接続や一定の利用期間に応じて自動的に割り当てられ、再接続や契約・設備側の都合などで値が変わり得るIPアドレスです。英語ではdynamic IP address(ダイナミック・アイピー・アドレス)と呼びます。
動的IPアドレスは、接続や一定の利用期間に応じて自動的に割り当てられ、再接続や契約・設備側の都合などで値が変わり得るIPアドレスです。
「動的」は常に変化しているという意味ではありません。同じ値を使い続ける保証がない割り当てと考えると正確です。数日、数か月、さらに長く同じ値が続く場合もあります。

DHCPは、アドレスと利用期間を自動設定する
家庭内のIPv4では、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol/ダイナミック・ホスト・コンフィギュレーション・プロトコル)がよく使われます。DHCPサーバーは、利用できる範囲からアドレスを選び、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSなどの設定とともに端末へ知らせます。
- 1探索
端末が、設定を提供できるDHCPサーバーを探します。
- 2提案
サーバーが、利用候補のアドレスと条件を提示します。
- 3要求と確定
端末が利用を要求し、サーバーがリース期間を含む設定を確定します。
- 4更新
期限前に利用延長を求めます。更新できないまま期限が切れると、再設定が必要です。
リース(lease/リース)は、アドレスを一定期間利用できる取り決めです。期間中は、DHCPサーバーが同じアドレスを別の端末へ重ねて割り当てないよう管理します。
家庭内とインターネット側で、別々に動的割り当てがある
端末のプライベートIP
家庭用ルーターがスマートフォンやパソコンへプライベートIPアドレスを配ります。端末ごとに別の値です。
回線のグローバルIP
通信事業者がルーターや接続装置へグローバルIPアドレスを割り当てます。家庭内の値とは別に変わり得ます。
設定画面のIPアドレスと、Webサイトで確認したIPアドレスが違うのは、この二段階があるためです。さらに事業者側でアドレスを共有している場合、利用者のルーターに付いた値と外部サーバーから見える値が異なることもあります。
電源を切れば必ず変わる、毎日変わる、とは限らない
アドレスが変わる時期は、リース期間、再接続までの時間、同じアドレスを優先して戻す仕組み、事業者の設備変更、接続するネットワークの変更などで決まります。短時間の再起動では、以前と同じ値が再び割り当てられる場合があります。
反対に、端末を別のWi-Fiへつないだとき、ルーターを交換したとき、回線側の接続が切り替わったときなどは、別のアドレスになる可能性があります。変わる可能性があることと、特定の操作で必ず変更できることは分けて考えます。
固定IPとの違いは「同じ値を継続利用する前提があるか」
固定IPアドレスは、契約や管理設定によって同じ値を継続して使う前提の割り当てです。動的IPアドレスは、提供者が利用可能なアドレスを効率よく再利用でき、一般的なWeb閲覧や動画視聴では困らないことが多い方式です。
ただし、自宅で外部公開サーバーを運用する、拠点間接続で相手側の許可リストへ登録する、といった用途では、値が変わると接続先を見失います。名前と現在のIPアドレスを自動更新して対応させるダイナミックDNSを使う方法もありますが、事業者側のアドレス共有や外部からの通信制限があると、名前を更新するだけでは接続できません。
IPv6でも、有効期間と再設定がある
IPv6では、DHCPv6やSLAACなどでアドレスやプレフィックスを設定します。IPv6アドレスには、通信元として新しく選ばなくなるまでの期間と、アドレス自体が無効になるまでの期間が設定される場合があります。
一つの接続部分が複数のIPv6アドレスを持てるため、「現在表示された一つのIPv6アドレスが変わったか」だけでは接続全体を説明できません。プレフィックス、アドレスの用途、有効期間を分けて確認します。
仕様の確認資料:RFC 2131「Dynamic Host Configuration Protocol」、RFC 8415「DHCP for IPv6」