イーサネットとは
イーサネットは、有線LANで広く使われる通信規格群で、フレーム形式や速度、配線などを定めます。英語表記はEthernet(イーサネット)で、現在の中心規格はIEEE 802.3です。
上側のMACでは端末間で受け渡すフレーム形式やMACアドレスの扱いを定め、下側のPHYでは電気・光信号、ケーブル、コネクター、速度ごとの伝送方法を定めます。同じMACフレームを、銅線用PHYや光ファイバー用PHYへ渡せます。
イーサネットは一本のLANケーブルの名前ではなく、フレームの受け渡しから物理信号までを速度・媒体ごとにまとめた規格群です。無線LANやインターネットそのものとは範囲が異なります。

MACフレームは、届け先と内容と検査値を一つに包む
一定のビット列の後、フレーム開始位置を知らせる。MACフレーム本体の前に送る
個別、グループ、全端末宛てを示し、スイッチが出口判断に使う
このリンクでフレームを出したインターフェースを示し、スイッチが学習する
後続データの長さ、またはIPv4・IPv6など収容する上位プロトコルを識別する
IPパケットなどを入れ、最小長に足りなければパディングを加える
CRCで受信ビットの変化を見つける。通常は壊れたフレームを再送せず破棄する
MACアドレスはリンク内、IPアドレスはネットワーク間で使う
一般的なEthernet MACアドレスは48ビットで、同じL2転送範囲にある次の相手へフレームを届けるために使います。ルーターを越えるたびEthernetフレームは作り直されるため、送信元・宛先MACは区間ごとに変わります。
一方、IPアドレスは複数ネットワークを越えてパケットを届ける論理アドレスです。EtherTypeがIPv4やIPv6を示し、そのIPパケットをData部分へ収容します。同じ通信の中にEthernetの宛先とIPの宛先が同時に存在し、担当する距離が違います。
BASE‑Tは平衡銅線、BASE‑Rなどは光ファイバーを使う
1000BASE‑Tや10GBASE‑Tは、撚り対線を使う代表的な銅線PHYです。1000BASE‑SX、10GBASE‑SRなどは光ファイバーと光トランシーバーを使います。速度が同じでも媒体、波長、到達距離、コネクターは交換可能とは限りません。
銅線ポートではauto-negotiation(オート・ネゴシエーション/自動交渉)により、双方が対応する速度、全二重、追加能力を合意します。リンクが成立しても最低速度へ落ちていることがあるため、OSやスイッチで交渉結果を確認します。
現代の全二重リンクでは、CSMA/CDによる衝突検出を使わない
同軸ケーブルやリピーターハブを共有した初期のEthernetでは、複数端末の同時送信が衝突しました。そのためCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection/キャリア・センス・マルチプル・アクセス・ウィズ・コリジョン・ディテクション)で媒体を監視し、衝突後に再試行しました。
スイッチへ一対一で結ぶ全二重リンクは送信線と受信線を同時に使え、衝突ドメインを共有しません。古い説明の「送信前に空きを待つ」は、現在の一般的なスイッチ型Ethernetには当てはまりません。
フレームが運べる大きさと、IPのMTUをそろえる
標準的なEthernetは一定範囲のフレーム長を持ち、IP側はリンクで一度に運べる上限をMTUとして扱います。VLANタグやトンネルを追加すると必要なフレーム長が増えるため、経路中の機器が同じ条件を扱える必要があります。
ジャンボフレームは標準のIP MTUより大きい設定の通称で、値は製品ごとに異なります。一部だけ有効にすると大きな通信だけ失敗するため、端末から経路全体をそろえます。
仕様の確認資料:IEEE 802.3‑2022「Ethernet」、IEEE 802.1Q‑2022「Bridges and Bridged Networks」