モバイルルーターとは
モバイルルーターは、携帯回線を受信し、持ち運んで複数端末へWi-Fi接続を提供するルーターです。一般にmobile Wi-Fi router(モバイル・ワイファイ・ルーター)やmobile broadband router(モバイル・ブロードバンド・ルーター)と呼びます。
携帯基地局へ接続する無線モデム、契約を示すSIM・eSIM、家庭内外を中継するルーター・ファイアウォール、端末を収容するWi-Fiアクセスポイント、持ち運ぶためのバッテリーを一台にまとめます。
モバイルルーターが作るWi-Fiは、端末から小型ルーターまでのLANです。その先のInternetアクセスは携帯回線なので、Wi-Fi表示だけでは携帯無線の接続・混雑・データ残量は分かりません。

一台に収まる五つの機能
対応帯域、4G LTE・5G NR、MIMOを使って携帯ネットワークへ入ります。
契約プロファイルを使い、APNに対応するデータネットワークへ接続します。
経路制御、NAT、ファイアウォール、DHCP、DNS中継等を処理します。
SSIDとセキュリティ設定を持ち、同時接続端末へ無線時間を配ります。
バッテリー残量、充電温度、省電力設定で利用可能時間が変わります。
通信経路は上流と下流で考える
端末のパケットはWi-Fiでルーターへ届き、ファイアウォールと経路制御を通り、携帯無線、基地局、モバイルコア、ISP相当のデータネットワークを経て接続先へ進みます。応答は逆向きです。
IPv4では端末側NATに加えてモバイルネットワーク側のCGNATを通ることがあります。IPv6はプレフィックス共有、NDプロキシ、プレフィックス委任などサービス実装によりLANへの渡し方が異なります。
ホームルーターとテザリングは外形と運用が違う
ホームルーターはAC電源と固定場所での利用、多数端末、据え置きアンテナ等を重視します。モバイルルーターはバッテリー、寸法、携帯性を重視するため、連続負荷時の熱・稼働時間・Wi-Fi対象範囲に別の制約があります。
テザリングはsmartphone等が同じルーター役を一時的に担います。専用機はスマートフォンの通話・バッテリー・操作から分離できますが、端末を一台持ち増やして充電・契約を管理します。
携帯無線とWi-Fiを別々に測る
無線品質はRSRP、RSRQ、SINR、接続帯域、セル混雑で変わります。Wi-Fi品質は距離、遮蔽物、チャネル競合、端末数、使用帯域で変わります。ルーターのすぐ近くでも携帯無線が弱ければ遅くなります。
問題を分けるにはルーターの管理画面でモバイル信号と通信世代を確認し、端末を近づけ、可能ならUSB・Ethernet接続対応機でWi-Fiを迂回して比べます。
データ容量・ローミング・利用場所を契約で確認する
月間データallowance、短期間の大量通信、混雑時優先度、動画最適化、テザリング扱い、国際ローミング、契約住所制限は計画ごとに異なります。端末が技術的に接続できても、契約上利用できるとは限りません。
旅行では対応帯域、ローミング料金、現地SIMのロック・APN、充電plug、盗難時のSIM停止方法を確認します。
小さなルーターとしてセキュリティを管理する
管理パスワードとWi-Fiパスワードを分け、WPA2またはWPA3を使い、WPSやリモート管理の必要性を確認します。ファームウェア更新、ゲストネットワーク、接続中端末一覧、データ使用量を定期的に見ます。
紛失したときはWi-FiだけでなくSIM契約も悪用対象です。画面ロック、管理パスワード、SIM PIN、遠隔での回線停止手段を準備します。
モバイルルーターは「持ち運べるWi-Fi発生器」ではなく、携帯WANと周辺端末LANの境界をバッテリーで動かす小型ネットワーク装置です。
携帯accessを持つCE routerやtethering機能付きdongleがLAN端末へIP接続を共有するIPv6要件:RFC 7849「An IPv6 Profile for 3GPP Mobile Devices」。3GPP radio interfaceからLAN linkへIPv6 /64を延長する実装例:RFC 7278