テザリングとは
テザリングは、スマートフォンなどのモバイル回線を、Wi-FiやUSB経由で別の端末へ共有する機能です。英語のtethering(テザリング)は「つなぎ留める」という意味です。
スマートフォンはモバイルネットワーク側ではクライアントですが、共有側では小さなルーター・アクセスポイントとして働きます。接続したPCやtabletへプライベートIPアドレスを配り、複数の通信をモバイル回線へ中継します。
Wi-Fiアイコンが出るため家庭のWi-Fiと似ていますが、インターネットへの出口はスマートフォンのモバイルデータ契約です。データ容量、速度制御、ローミング料金もその回線に従います。

端末内で働く五つの機能
SIM契約、APN、無線、モバイルデータを使ってインターネット側の経路を作ります。
Wi-Fiホットスポット、USBネットワーク、Bluetooth PANのいずれかを有効にします。
クライアントへIPアドレス、デフォルトゲートウェイ、DNS情報、利用期間を知らせます。
端末ごとのアドレス・ポートをモバイル側通信へ変換し、応答を正しいクライアントへ戻します。
接続状態を追跡し、内側から開始した通信への応答を中心に許可します。
Wi-Fi・USB・Bluetoothは使いどころが違う
Wi-Fiホットスポットは複数機器を無線で接続しやすい一方、電池消費と周囲への電波公開が増えます。WPA2またはWPA3と十分に長いパスワードを使い、不要時は停止します。
USBテザリングは一台のPCと安定した有線接続を作り、給電できる場合があります。Bluetoothテザリングは消費電力を抑えやすい反面、一般に速度と距離が限られます。
接続端末の通信も同じデータ容量を消費する
PCのOS更新、クラウド同期、アプリケーションダウンロード、動画会議は、スマートフォン画面を操作していなくてもデータを使います。上りのバックアップやアップロードも計測対象です。
事業者がテザリングを計画条件で制限したり、追加料金・別容量を設定したりする場合があります。設定前に契約条件とデータ残量を確認します。
遅い場所ではクライアントを増やしても速くならない
全クライアントが一つのモバイル無線、同じセル、同じデータ契約を共有します。無線品質が低い、セルが混雑、端末が発熱している場合、接続台数を増やすほど一台あたりの速度と応答性は下がります。
Wi-Fi区間が速くてもモバイル側が遅ければインターネットは速くなりません。障害切分けでは、クライアントからスマートフォン、スマートフォンのモバイルデータ、接続先サービスの三段階を分けます。
公開ネットワークとして扱い、接続後も管理する
初期パスワードを変更し、接続機器一覧から知らない端末を切断します。端末名は偽装できるため、台数・利用時間・自分の機器アドレスも照合します。
テザリング中のスマートフォンは通信の境界装置です。データ残量、バッテリー・温度、共有方式、暗号化、接続台数、ローミング、終了後の停止までを一続きの操作として扱います。
Android端末でモバイルデータ通信をWi-Fiアクセスポイント・Bluetooth・USBへ共有でき、通信事業者によっては制限や追加料金が設けられることの確認資料:Google Android ヘルプ「テザリングまたはアクセス ポイントでモバイル接続を共有する」