APNとは
APNは、モバイル端末がデータ通信で接続する事業者側ネットワークの接続先設定です。正式名称はAccess Point Name(アクセス・ポイント・ネーム)です。
端末が携帯ネットワークへ登録したあと、「インターネット用」「組織内ネットワーク用」「IMS用」など、どのパケットデータネットワークへセッションを作るかを論理名で要求します。コアネットワークは契約とAPNを照合し、対応するゲートウェイ、IPアドレス、DNS、方針を選びます。
APNのAccess Pointはネットワーク内の論理的な接続先です。Wi‑Fiのアクセスポイントという無線機器とは別です。

APN設定に含まれる項目と役割
利用者が設定を見分ける名称で、ネットワークへ送るAPN文字列とは別欄です。
ネットワーク識別子と必要に応じ運用者識別子を持ち、ゲートウェイ選択へ使われます。
契約によりPAP・CHAP等を使う場合がありますが、SIM認証そのものとは別です。
端末が要求するPDP/PDN種類を選び、ネットワーク対応と合わせます。
既定データ、IMS、MMS、テザリングなどの用途をOSが選び分ける手掛かりです。
許可APN、IP割当、DNS、QoS、フィルター、課金、ローミング条件を加入者ごとに適用します。
APN文字列はDNSに似た形でもWebのドメインではない
APNはドットで区切ったラベルを使い、ネットワーク識別子と運用者識別子から構成できます。コア内部のDNSを用いて対応ゲートウェイを見つけることがありますが、ブラウザーへ入力してWebページを開くドメインとは用途が違います。
利用者向け設定では短いネットワーク識別子だけを入力し、運用者側が契約・在圏ネットワークから残りを補うこともあります。大文字小文字、空白、余計な記号、全角文字を混ぜません。
接続確立時にAPNから複数の設定が決まる
端末は無線アクセスと加入者認証を終え、APNを含むデータセッション要求を送ります。ネットワークは契約で許可されたAPNか確かめ、パケットゲートウェイを選び、IPアドレスとDNS情報を割り当て、トラフィックフィルター・QoS・課金規則を設定します。
そのため、APN誤りではアンテナ表示がありSMSや音声が使えても、インターネットデータだけ失敗することがあります。逆にAPNが正しくても、契約停止、無線不良、ゲートウェイ障害、端末のモバイルデータ停止が原因なら接続できません。
5GではDNNという名称も現れる
5G SystemではDNN(Data Network Name/データ・ネットワーク・ネーム)が、接続するデータネットワークを識別します。APNのネットワーク識別子と似た役割・構文を持ち、LTE/5G併用端末の設定画面では引き続きAPNという名称が使われます。
5GのPDUセッションではDNNに加えてネットワークスライス選択も関係します。利用者が任意の文字列を入れればスライスへ入れるわけではなく、subscriptionとネットワーク方針が必要です。
公式プロファイルを優先し、変更前の値を記録する
端末やSIMが自動設定する場合は、むやみに編集しません。手動設定が必要なら通信事業者の公式案内から、APN、利用者名、パスワード、認証方式、IP種類を一組で確認します。
APN 問題調査では、SIM契約、選択中プロファイル、モバイルデータ、APN文字列、APN種類、IP種類、ローミング許可、再接続の順で確認し、Wi‑Fi APの設定画面を探しません。
APNがGGSN/外部network/serviceを識別する論理名であり、network identifierとoperator identifierを持つことの確認資料:3GPP「Definition of Access Point Name」