ADSLとは
ADSLは、既存の電話用銅線で、音声より高い周波数を使ってデータ通信する方式です。Asymmetric Digital Subscriber Line(アシメトリック・デジタル・サブスクライバー・ライン)の略で、一般に「エーディーエスエル」と読みます。
Asymmetricは非対称という意味で、典型的にはWeb閲覧やダウンロードが多い家庭利用を想定し、上りより下りへ多くの周波数資源を配分します。電話音声とデータは同じ線を共有しても、異なる周波数帯を使います。
ADSLは電話番号をデータへ変換する仕組みではありません。一本の銅線を低周波の音声と高周波のデータに分け、局側DSLAMと宅内ADSLモデムがデータ部分を送受信します。

一本の電話線を周波数で分ける
低い周波数帯を電話機と交換設備が使います。分岐器やフィルターでデータ帯域と分離します。
要求や送信データを運びます。一般的なADSLでは下りより狭い資源が割り当てられます。
Webコンテンツやダウンロードを運びます。上りより広い周波数範囲を使う設計です。
帯域の境界、pilot、訓練等を用いて安定したリンクを作ります。
DMTが線路状態に合わせて音調を割り当てる
ADSL系列はDMTによりデータ帯域を多数の細い音調へ分けます。訓練時に各音調のSNRを測り、状態がよい音調へ多くのビット、悪い音調へ少ないビットを割り当てます。
ADSL2+を定めるITU-T G.992.5は、下り側の使用周波数を拡張して伝送比率を高めました。ただし高い周波数ほど銅線で減衰しやすく、長距離回線では追加帯域を十分使えないことがあります。
電話局からの線路距離が性能を左右する
ADSL信号は通信局のDSLAMから利用者宅まで銅線を通ります。地図上の直線距離ではなく、実際のケーブル経路、線径、接続点、分岐、ブリッジtap、同じ束の別回線からのcrosstalkが効きます。
雷や家電のimpulseノイズ、劣化した保安器、長い宅内telephone cord、不適切な分岐器もエラーや再同期の原因になります。電話を使うと切れる場合は、各電話機へのフィルターと配線構成を確認します。
最大・同期・実効の三つの速度は一致しない
サービス名の最大値は理想条件を含む上限です。モデム状態の同期速度はDSL物理リンクの比率です。速度試験の実効速度はATM等の回線オーバーヘッド、PPP、IP、TCP、ISP混雑、接続先を通った結果です。
まず同期の安定性と比率を確認し、その次にEthernet接続で実効値を測ると、銅線区間とその先を切り分けられます。
VDSLとは銅線区間と周波数設計が違う
VDSLは、集合住宅なら光光ファイバーを建物まで届け、短い建物内電話線で高速化する構成が代表的です。ADSLは通信局から宅内までの長い銅線アクセスを使う構成が代表的でした。
どちらもDSLですが、VDSLのほうが常に同じ速度という意味ではありません。プロファイル、線路長、ノイズ、装置、サービス設計を確認します。
日本では歴史的なアクセス方式になった
NTT東日本の「フレッツ・ADSL」は全計画の提供を2025年1月31日に終了しました。これは特定事業者・サービスの終了であり、ADSLという技術が世界中で同日に消滅したという意味ではありません。
現在の国内回線を選ぶ目的では終了サービスの扱いを公式情報で確認し、技術史としては電話線を周波数分割してbroadband化した方式として理解します。
ADSL2+の非対称digital subscriber line transceiver仕様:ITU-T G.992.5。NTT東日本が全planを2025年1月31日に終了した公式発表:NTT東日本「フレッツ・ADSL」の提供終了日確定