用語辞典・クラウド・開発運用

IaaS

IaaSとは

IaaS(イアース/アイアース)は、サーバー、ネットワーク、ストレージなどの基盤をサービスとして利用するクラウド提供形態です。正式名称はInfrastructure as a Service(インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス)です。

利用者は制御プレーンのAPI・管理画面から仮想システム、仮想ネットワーク、保存領域等を必要に応じて作り、ゲストOS、アプリケーション、データを管理します。事業者はデータ中心、物理サーバー、物理ネットワーク、保存領域設備、仮想化基盤を運用します。

IaaSでは事業者へ全部任せるのではありません。物理基盤は事業者、ゲストOSより上と利用者が設定したアクセス規則・データは主に利用者という責任分界をリソースごとに確認します。

制御プレーンから複数ゾーンへ仮想計算資源・ネットワーク・ストレージを配置する利用者管理層と事業者物理層、需要に応じた伸縮性・計測、固定サーバーとの差を分ける
利用者がクラウドの制御プレーンから二つの可用性ゾーンへ仮想マシン、仮想ネットワーク、ファイアウォール、負荷分散装置、ブロックストレージ、オブジェクトストレージを配置し、責任境界より下で事業者が物理サーバー、ラック、ネットワーク、ディスク、電力、冷却設備を運用する関係のピクトグラム図解
図1サービスごとの責任分界は事業者により異なります。マネージドデータベースやPaaSを同じ図へ混ぜず、利用する個別サービスの文書で境界を確認します。

IaaSを構成するリソース

Compute仮想システムと画像

CPU・メモリー規模、OS画像、ディスク、起動停止、auto拡張・縮小等を選びます。

Network仮想ネットワークと接続

サブネット、経路、パブリックIP、ゲートウェイ、VPN、負荷分散装置等を組み合わせます。

Storageブロック・オブジェクト・ファイル

接続方法、耐久性、性能、スナップショット、ライフサイクル、料金を分けます。

Controlプレーンリソースを管理するAPI

アカウント、役割、テンプレート、監査ログから基盤の期待する状態を変更します。

Location地域と可用性ゾーン

遅延、法域、障害分離、データ複製、サービス可用性を考えて配置します。

Metering利用量に応じた計測

稼働時間、容量、要求、転送量、パブリックIP等をサービス別に集計します。

制御プレーンとデータプレーン

制御プレーンはVM作成、ネットワーク規則変更、保存領域方針設定等の管理操作を受けます。データプレーンは作成されたVMのパケット処理、保存領域読み取り・書き込み等、実トラフィックを扱います。

制御プレーンへ強い権限を持つ認証情報が漏れると、多数リソースを一度に変更・削除され得ます。MFA、最小権限の特権、short-lived認証情報、承認、監査ログ、基盤asコードレビューを使います。

仮想システムだけがIaaSではない

VMは重要な計算資源リソースですが、分離された仮想ネットワーク、経路表、セキュリティグループ、パブリック・プライベートアドレス、負荷分散装置、ブロック容量、オブジェクトバケット等を組み合わせてシステムを作ります。

VM内へファイルを置くこととオブジェクトストレージへ保存すること、ローカルの一時ディスクと永続ボリューム、スナップショットとバックアップは耐久性・復旧範囲が違います。「ストレージ」という名称だけを見て同じ保護を期待してはいけません。

地域と可用性ゾーン

地域は地理的な提供領域、可用性ゾーンは一つの地域内で障害分離を意図した位置単位として設計されるのが一般的です。ただし定義、距離、独立性、ネットワーク遅延は事業者ごとに違います。

二つのゾーンへVMを置くだけで高可用性にはなりません。負荷分散、ヘルスチェック、データ複製、クォーラム、DNS、容量、配備、障害時操作を合わせます。地域全体障害への対策はさらに別です。

需要に応じた伸縮性は、自動的な無限拡張ではない

elasticity(エラスティシティ/伸縮性)は、需要に応じてリソースを増減できる性質です。割り当て上限、利用可能容量、起動時間、アプリケーションの状態、データベースのボトルネック、ライセンス、予算が制約になります。

auto拡張・縮小には指標、しきい値、クールダウン、最小・最大、障害時動作が必要です。急増トラフィックに追い付く保証ではなく、スケールアウトできるアプリケーション設計と負荷試験を行います。

計測と料金をリソース単位で読む

IaaSは従量制を採ることが多い一方、予約・コミット、最低利用、ライセンス、サポート料金等もあります。VMを停止してもディスク、スナップショット、パブリックIP、バックアップ、データ転送の料金が残る場合があります。

インターネット外向き通信、地域間・ゾーン間転送、管理対象ゲートウェイ処理量は見落としやすい項目です。タグ、予算アラート、コスト割り当て、不要リソース検出を運用へ入れます。

共有responsibilityを層で考える

事業者は物理施設、ハードウェア、underlayネットワーク、ハイパーバイザー等を守り、利用者は通常ゲストOSパッチ、アプリケーション、アカウント、データ、ファイアウォール・セキュリティグループ設定、バックアップ・復旧を担います。

事業者が提供する暗号化機能も、鍵方針、有効化、アクセス権限、データ分類は利用者側に残ることがあります。「クラウドだからバックアップ済み」「事業者がパッチする」と仮定せず、service-level文書を読みます。

VPS・専用サーバーとの境界

VPSも仮想サーバーですが、固定計画・一台単位の契約を中心に提供され、programmableネットワーク・elasticリソースプール・API・計測の範囲がIaaSより限定される場合があります。ただし商品名だけでは明確に分かれません。

専用サーバーは一台の物理サーバーを専有する形態です。IaaSにもベアメタルインスタンスがあり、物理専有とクラウド制御プレーンを両立するため、「仮想=IaaS、物理=非クラウド」と単純化しません。

削除・障害・バックアップは別の保護

保存領域複製はハードウェア故障への耐久性を高めても、誤削除、ランサムウェア、アカウント侵害、アプリケーション破損を元へ戻すバックアップではありません。バージョン管理、変更不可バックアップ、別アカウント・別地域複製、復元試験を設計します。

基盤テンプレートもリソース再作成には役立ちますが、業務データを復元しません。Recovery Time Objective(リカバリー・タイム・オブジェクティブ/RTO)とRecovery Point Objective(リカバリー・ポイント・オブジェクティブ/RPO)をリソースごとに決めます。

IaaSは計算資源・ネットワーク・ストレージをAPIで組み合わせるクラウド基盤です。リソースプール、配置場所、伸縮性、利用量計測の利点と、ゲストOS・認証情報・ネットワーク規則・データ・バックアップに残る利用者責任を同時に設計します。

IaaSを含むcloud service model、on-demand self-service、resource pooling、rapid elasticity、measured service:NIST SP 800-145「The NIST Definition of Cloud Computing」

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