用語辞典・クラウド・開発運用

リージョン

リージョンとは

region(リージョン)は、クラウド事業者がサービスを提供する地理的な地域の単位です。多くの事業者では一地域が複数の可用性ゾーンを含み、地域間を大きな障害・データ配置・サービスエンドポイントの境界として扱います。

利用者はリソース作成時に地域を選び、遅延、データ所在地、法域、サービス可用性、ハードウェア、容量、料金、他システムとのネットワーク接続を決めます。地域名称・構造・適用範囲は事業者ごとに異なります。

一地域へ作ったリソースやデータは、別地域へ自動で複製されるとは限りません。マルチリージョンは、複製、認証情報、容量、DNS・グローバル経路制御、フェイルオーバー操作を明示的に作る設計です。

世界の離れた三つのリージョンに、複数のゾーンと地域エンドポイント・リソース群がある遅延、法域、サービス・ハードウェア、料金、転送、災害復旧、リソースの適用範囲を選ぶ
世界地図上の離れた三つのリージョンが、それぞれ複数の可用性ゾーン、APIエンドポイント、計算資源、ストレージ、ネットワークを持ち、距離、データ所在地、サービス、料金、リージョン間通信、災害復旧を判断する関係のピクトグラム図解
図1地理的な名前が同じでも事業者の地域境界・ゾーン数・サービス適用範囲は違います。製品のリソース適用範囲表を基準にします。

地域選択の軸

Latency利用者・他システムとの距離

往復時間だけでなくネットワーク経路、ピアリング、CDN、データベース連携を測ります。

Residencyデータを置く地理・法域

保存データ、バックアップ、ログ、サポートアクセス、再委託先を法令・規制への適合要件と照合します。

Services利用できる機能とバージョン

新サービス、GPU・CPU、マネージドデータベース、機能は全地域同時ではありません。

Capacity必要リソースを確保できるか

割り当て上限、インスタンス系列、ゾーンの空き容量、容量予約、オートスケーリング時の代替策を確認します。

Cost単価とデータ転送

計算資源・保存領域価格、地域間・インターネット外向き通信、複製・バックアップ費を比較します。

Resilienceゾーン・地域障害への配置

複数ゾーン、バックアップ地域、アクティブ/アクティブ・アクティブ/スタンバイ、RTO・RPOを設計します。

地域とゾーンの包含関係

地域は地理領域、ゾーンは地域内の分離された位置です。複数ゾーンは一地域内の位置障害へ備え、マルチリージョンはより広い地理・制御プレーン障害へ備えます。

エッジ拠点、ローカルゾーン、Point of Presence(ポイント・オブ・プレゼンス/接続拠点)、通信事業者網と連携する拠点などは、リージョン・ゾーンとは異なる適用範囲です。利用者に近い配信点が、データベースやVMを置くリージョンと同じとは限りません。

リソース適用範囲を確認する

VMやディスクはゾーン単位の、仮想ネットワークやマネージドロードバランサーは地域の、識別情報・DNS・CDNはグローバル等、リソースごとに適用範囲が違います。事業者・サービスによって例外があります。

グローバル制御プレーンから作ってもデータプレーンは一地域の場合があります。管理APIのURLと、リソース・データが実際に置かれる適用範囲を分けます。

遅延は地図の近さだけで決まらない

利用者に近い地域は一般に遅延を減らしますが、ISPピアリング、海底ケーブル、VPN、セキュリティ専用機器、DNS経路制御で遠回りする場合があります。実ネットワークから継続測定します。

アプリケーションとデータベースを別地域へ置くと、要求ごとに地域間RTTと転送料金が加わります。通信回数の多いプロトコルは特に影響が大きく、データ近接配置を揃えます。

データ所在地と法域

プライマリーデータを選択地域へ置いても、バックアップ、ログ、テレメトリー、サポートダンプ、暗号化鍵、コントロールプレーンメタデータが別場所へ保存される可能性があります。サービスのデータ位置文書と契約を確認します。

「国内地域」という表示だけで全法的要件を満たすとは限りません。データ分類、コントローラー・処理装置、国境を越えたアクセス、保持期間、削除を専門家と確認します。

サービス・ハードウェア・料金差

新サービスやGPUは一部地域から提供され、同じサービスでもバージョン・割り当て量・インスタンス種類が違う場合があります。アーキテクチャーを特定地域固有機能へ依存させるとDR先を選べません。

料金は通貨換算だけでなく、リソース単価、長期利用割引、税、インターネットへのデータ転送、リージョン間複製を含めます。単価の安いリージョンでも、ネットワーク費用を含めると高くなる場合があります。

リージョン間転送

地域間トラフィックは事業者基幹網を通っても、通常は遅延と料金が発生し、暗号化・経路制御・帯域幅上限を確認します。パブリックエンドポイント経由かプライベート相互接続かでもセキュリティとコストが変わります。

大量の複製通信は業務トラフィックと競合します。圧縮、change data capture(チェンジ・データ・キャプチャー/変更データキャプチャー)、一括処理の時間帯、転送速度の制御を設計します。

マルチリージョン DRはデータ複製だけではない

バックアップを別地域へ置いても、計算資源容量、ネットワーク、証明書、秘密情報、識別情報、設定、コンテナー画像、DNS、運用者アクセスがなければサービスを復旧できません。

アクティブ/アクティブ、ウォームスタンバイ、pilot light(パイロット・ライト)、バックアップ/復元など、待機方式によって費用とRTO・RPOが変わります。定期的な切替訓練で、データベースの昇格、トラフィック切替、元リージョンへの切り戻しを確認します。

地域はクラウドリソースとデータを置く地理・サービス適用範囲の大きな境界です。遅延、所在地、機能、容量、コスト、リージョン間転送、DRをリソースごとに確認し、自動複製を仮定しません。

regionをseparate geographic area、availability zoneをregion内のisolated locationとして扱い、resourceをregionへ自動replicateしない実装例:AWS EC2「Regions and Zones」

関連用語