リージョンとは
region(リージョン)は、クラウド事業者がサービスを提供する地理的な地域の単位です。多くの事業者では一地域が複数の可用性ゾーンを含み、地域間を大きな障害・データ配置・サービスエンドポイントの境界として扱います。
利用者はリソース作成時に地域を選び、遅延、データ所在地、法域、サービス可用性、ハードウェア、容量、料金、他システムとのネットワーク接続を決めます。地域名称・構造・適用範囲は事業者ごとに異なります。
一地域へ作ったリソースやデータは、別地域へ自動で複製されるとは限りません。マルチリージョンは、複製、認証情報、容量、DNS・グローバル経路制御、フェイルオーバー操作を明示的に作る設計です。

地域選択の軸
往復時間だけでなくネットワーク経路、ピアリング、CDN、データベース連携を測ります。
保存データ、バックアップ、ログ、サポートアクセス、再委託先を法令・規制への適合要件と照合します。
新サービス、GPU・CPU、マネージドデータベース、機能は全地域同時ではありません。
割り当て上限、インスタンス系列、ゾーンの空き容量、容量予約、オートスケーリング時の代替策を確認します。
計算資源・保存領域価格、地域間・インターネット外向き通信、複製・バックアップ費を比較します。
複数ゾーン、バックアップ地域、アクティブ/アクティブ・アクティブ/スタンバイ、RTO・RPOを設計します。
地域とゾーンの包含関係
地域は地理領域、ゾーンは地域内の分離された位置です。複数ゾーンは一地域内の位置障害へ備え、マルチリージョンはより広い地理・制御プレーン障害へ備えます。
エッジ拠点、ローカルゾーン、Point of Presence(ポイント・オブ・プレゼンス/接続拠点)、通信事業者網と連携する拠点などは、リージョン・ゾーンとは異なる適用範囲です。利用者に近い配信点が、データベースやVMを置くリージョンと同じとは限りません。
リソース適用範囲を確認する
VMやディスクはゾーン単位の、仮想ネットワークやマネージドロードバランサーは地域の、識別情報・DNS・CDNはグローバル等、リソースごとに適用範囲が違います。事業者・サービスによって例外があります。
グローバル制御プレーンから作ってもデータプレーンは一地域の場合があります。管理APIのURLと、リソース・データが実際に置かれる適用範囲を分けます。
遅延は地図の近さだけで決まらない
利用者に近い地域は一般に遅延を減らしますが、ISPピアリング、海底ケーブル、VPN、セキュリティ専用機器、DNS経路制御で遠回りする場合があります。実ネットワークから継続測定します。
アプリケーションとデータベースを別地域へ置くと、要求ごとに地域間RTTと転送料金が加わります。通信回数の多いプロトコルは特に影響が大きく、データ近接配置を揃えます。
データ所在地と法域
プライマリーデータを選択地域へ置いても、バックアップ、ログ、テレメトリー、サポートダンプ、暗号化鍵、コントロールプレーンメタデータが別場所へ保存される可能性があります。サービスのデータ位置文書と契約を確認します。
「国内地域」という表示だけで全法的要件を満たすとは限りません。データ分類、コントローラー・処理装置、国境を越えたアクセス、保持期間、削除を専門家と確認します。
サービス・ハードウェア・料金差
新サービスやGPUは一部地域から提供され、同じサービスでもバージョン・割り当て量・インスタンス種類が違う場合があります。アーキテクチャーを特定地域固有機能へ依存させるとDR先を選べません。
料金は通貨換算だけでなく、リソース単価、長期利用割引、税、インターネットへのデータ転送、リージョン間複製を含めます。単価の安いリージョンでも、ネットワーク費用を含めると高くなる場合があります。
リージョン間転送
地域間トラフィックは事業者基幹網を通っても、通常は遅延と料金が発生し、暗号化・経路制御・帯域幅上限を確認します。パブリックエンドポイント経由かプライベート相互接続かでもセキュリティとコストが変わります。
大量の複製通信は業務トラフィックと競合します。圧縮、change data capture(チェンジ・データ・キャプチャー/変更データキャプチャー)、一括処理の時間帯、転送速度の制御を設計します。
マルチリージョン DRはデータ複製だけではない
バックアップを別地域へ置いても、計算資源容量、ネットワーク、証明書、秘密情報、識別情報、設定、コンテナー画像、DNS、運用者アクセスがなければサービスを復旧できません。
アクティブ/アクティブ、ウォームスタンバイ、pilot light(パイロット・ライト)、バックアップ/復元など、待機方式によって費用とRTO・RPOが変わります。定期的な切替訓練で、データベースの昇格、トラフィック切替、元リージョンへの切り戻しを確認します。
地域はクラウドリソースとデータを置く地理・サービス適用範囲の大きな境界です。遅延、所在地、機能、容量、コスト、リージョン間転送、DRをリソースごとに確認し、自動複製を仮定しません。
regionをseparate geographic area、availability zoneをregion内のisolated locationとして扱い、resourceをregionへ自動replicateしない実装例:AWS EC2「Regions and Zones」