routeコマンドとは
routeコマンド(ルート・コマンド)は、OSのIP経路表を表示・変更するコマンドです。IPパケットを送るとき、カーネルは宛先アドレスに合う経路を表から選び、どのネットワークインターフェースから、どの次ホップへ渡すかを決めます。
Windows、Linuxの従来net-tools、BSD、macOSに同名コマンドがありますが、書式・既定表示・永続化方法は同じではありません。Linuxでは現在、表示も変更もip経路が標準的です。
経路表は「候補の地図」です。表に行があるだけで宛先が応答するとは限らず、ARP・NDP、回線、途中ルーター、ファイアウォール、相手サービスまで正常とは証明しません。

経路表の一行を読む
一個のホスト、サブネット、デフォルトルートなど、どの宛先範囲へ一致する行かを示します。
プレフィックスが長いほど狭い範囲です。候補選択では最長プレフィックス一致が先に働きます。
リモートネットワークへ行く経路ではnext-hopアドレス、直接接続ならオンリンク相当を示します。
Ethernet、Wi-Fi、VPN、ループバックなど、ローカル側の送信インターフェースを特定します。
小さい値を優先する実装が一般的ですが、プレフィックス、方針、インターフェース指標と合わせます。
コマンドで加えた実行時経路と、ネットワーク管理設定へ保存した永続経路を分けます。
最長プレフィックス一致が指標より先
たとえばデフォルトルートと特定サブネットへの経路が両方あれば、宛先がそのサブネットに入る限り、より長いプレフィックスの行が選ばれます。特定ホストだけへ向けたホスト経路はさらに具体的です。
指標は同じ長さのプレフィックスや同等候補の比較に使われます。OSによってはインターフェース指標、経路指標、方針規則、送信元アドレス、表番号なども関係します。Windows経路表示だけでLinuxの方針経路制御まで一般化しません。
オンリンクとゲートウェイ経由
オンリンク/直接接続経路では、端末は宛先自身を同じリンク上の相手としてARPまたはNDPで解決します。ゲートウェイ経由経路では、IPヘッダーの最終宛先は変えず、リンク層の次相手としてゲートウェイを解決します。
ゲートウェイアドレスは通常、出力インターフェースから直接届く範囲にある必要があります。再帰的なnext-hop解決やトンネル等の例外もありますが、「ゲートウェイ欄に書けばどこでも届く」とは考えません。
デフォルトルートは最後の受け皿
IPv4の0.0.0.0/0、IPv6の::/0は、より具体的な経路がない宛先へ使うデフォルトルートです。家庭ではルーター、企業ではファイアウォールやVPNゲートウェイが次ホップになることがあります。
デフォルトルートが二本ある場合、指標や方針、dead-gateway検知等で選択されます。二本表示されたことだけで同時に帯域が合算されるわけではありません。
表示から始め、変更対象を限定する
Windowsのroute printはIPv4・IPv6経路表とインターフェース一覧を表示します。追加・変更・削除では宛先、マスク、ゲートウェイ、インターフェース、指標を明示します。Linuxではip route showとip route getで表示・選択確認を分けられます。
route /fのようなフラッシュ操作は、多くのゲートウェイ経路を削除して遠隔接続を失う可能性があります。障害対応の定型句として実行せず、現行表の保存、コンソール復旧手段、追加する正しい経路を先に用意します。
一時経路と永続経路
コマンドで追加した経路は、再起動、インターフェース再接続、DHCP・VPN更新で消える場合があります。Windowsの永続選択肢、LinuxのNetworkManager・systemd-networkd・分配固有設定など、起動時に再構成する管理主体へ保存します。
永続経路を二重に登録すると、OS起動時に重複や古いゲートウェイが復活します。コマンド履歴だけでなく、GUI、ネットワークサービス、VPNクライアント、cloud-init等の設定元も確認します。
経路get・printは疎通試験ではない
選択経路を表示できても、次ホップのMAC解決、Wi-Fiリンク、ISP、DNS、リモートサーバー、戻り値パスは未確認です。順序として、経路選択、近隣解決、ping、traceroute、目的プロトコルの接続を分けて調べます。
経路コマンドはローカルOSのIP経路表を観測・変更します。宛先プレフィックスを最初に読み、ゲートウェイ、インターフェース、指標、永続性を対応付け、疎通や途中経路の結果とは分離します。
Windows routeの表示・追加・変更・削除、destination・mask・gateway・metric・interface、永続route:Microsoft Learn「route」