用語辞典・IP・アドレス

リンクローカルアドレス

リンクローカルアドレスとは

リンクローカルアドレスは、同じ物理的または論理的なリンク上の機器どうしでだけ有効で、ルーターを越えて転送されないIPアドレスです。英語ではlink-local address(リンク・ローカル・アドレス)と呼びます。

リンクローカルアドレスは、同じ物理的または論理的なリンク上の機器どうしでだけ有効で、ルーターを越えて転送されないIPアドレスです。

ここでいうリンクは、ルーターを通らず直接通信できる一つの区間です。同じスイッチや同じ無線LANに接続していても、VLANなどで論理的に分けられていれば別のリンクになることがあります。

同じリンク内では届き、ルーターで止まる近くにあるかではなく、ルーターを越えるかで範囲が決まる
一つのリンクに接続した複数端末がリンクローカル通信を行い、そのパケットは境界のルーターを越えずインターネットへ出ないことを示す図解
図1リンクローカル宛てのパケットは、そのインターフェースが接続するリンク内で直接やり取りします。ルーターは別のリンクへ転送しないため、広い社内ネットワークやインターネットの宛先には使えません。

IPv4では非常用に見え、IPv6では日常的に使われる

同じ名前でも、割り当てられる事情が違うIPv4の兆候とIPv6の標準動作を混同しない
IPv4169.254.0.0/16

通常の設定を得られないとき、端末が重複を調べて自動設定します。通信できるのは同じリンク内だけです。

予期せず表示されたら、DHCPや配線を確認
IPv6fe80::/10

各インターフェースで使う基本的なアドレスです。近隣探索やルーターとのやり取りなど、IPv6の通常動作を支えます。

表示されていても、それだけで異常ではない
プライベートIPv410.0.0.0/8 など

組織内の設計に従い、ルーターを越えて複数の内部ネットワークへ経路制御できます。

リンクローカルとは到達範囲が違う
図2IPv4端末で169.254から始まる値だけが付き、普段の社内・家庭内通信ができない場合は、DHCPサーバーから設定を得られていない可能性があります。一方、IPv6のfe80から始まる値は、ほかのIPv6アドレスと同時に存在する通常の状態です。

IPv4は、ほかの設定方法が使えないときに自動構成する

IPv4では169.254.0.0/16がリンクローカル用です。端末は候補を選び、同じリンクですでに使われていないかを確認してから設定します。RFC 3927では、実際の自動選択に169.254.1.0から169.254.254.255までを使います。

家庭や会社で本来はDHCPからプライベートIPを受け取る設計なのに、169.254から始まる値しか付かない場合、DHCPサーバーまで要求が届いていない、応答を受け取れていない、固定設定がない、といった可能性があります。リンクローカル機能そのものが故障しているわけではありません。

IPv6では、近隣やルーターを見つける土台になる

IPv6のリンクローカルアドレスはfe80::/10の範囲です。インターフェースはリンクローカルアドレスを使って、同じリンクにいる相手の発見、アドレス重複の確認、ルーターからの情報受信などを行います。

複数のインターフェースで同じ範囲を使うため、OSの表示では%に続くゾーン識別子やインターフェース番号が付くことがあります。これは、どのリンクに向けて送るのかを特定する情報です。

プライベートIPよりも狭い範囲

プライベートIPアドレスは、組織内のルーターが経路を持っていれば、別のLANや別フロアへ転送できます。リンクローカルアドレスは、ルーターを一台越えるだけでも同じ宛先として使えません。

「ローカル」という語だけで両者を同じものと考えず、リンク一つに限定されるかを確認します。

仕様の確認資料:RFC 3927「Dynamic Configuration of IPv4 Link-Local Addresses」RFC 4291「IPv6 Addressing Architecture」RFC 4007「IPv6 Scoped Address Architecture」

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