キャリアアグリゲーションとは
キャリアアグリゲーションは、複数の周波数帯や搬送波を束ね、通信速度や容量を高める技術です。英語のCarrier Aggregation(キャリア・アグリゲーション)を略してCA(シーエー)とも呼びます。
ここでいう通信事業者は、電波を運ぶ事業者ではなく、一定のチャネル幅を持つ無線のcomponent carrier(コンポーネント・キャリア/構成搬送波)です。端末と基地局は、互いに対応する複数通信事業者を一つの接続として利用します。
束ねるのは「周波数の空き部分を一本の連続した電波へ作り直す」処理ではありません。別々の通信事業者へ無線リソースを割り当て、上位層で一つの通信として扱います。

一つの接続を支える四つの単位
それぞれに中心周波数、チャネル幅、上り・下りのリソースがあります。
RRC接続や重要な制御を支えるPCellを一つ選び、接続のアンカーにします。
必要時にSCellを追加・停止し、トラフィックと無線状態に合わせてリソースを増減します。
基地局と端末のRF回路・規格が共通対応する帯域、幅、通信事業者数だけを利用します。
隣り合う通信事業者だけを束ねるとは限らない
intra-band contiguousは同じ帯域内で隣り合う通信事業者、intra-band non-contiguousは同じ帯域内で離れた通信事業者、inter-bandは異なる帯域の通信事業者を組み合わせます。
離れた周波数を同時に扱うほど、端末のフィルター、amplifier、アンテナ、同時送受信時の干渉対策が複雑になります。そのため、周波数が見えていてもすべての組み合わせを使えるわけではありません。
下りと上りで束ねる数は同じとは限らない
ネットワークは下りだけへ複数通信事業者を追加し、上りは一通信事業者のままにすることがあります。端末の送信電力、電池、発熱、無線構成の制約が上りへ強く表れるためです。
画面に4Gや5Gの表示があっても、現在のCA構成は分かりません。基地局の設定、混雑、無線品質、契約、端末能力に応じてSCellは動的に追加・解除されます。
合計帯域幅がそのまま実効速度になるわけではない
各通信事業者のチャネル幅を足すと利用可能リソースは増えますが、信号品質、変調・coding、MIMO層、スケジューラー、他利用者、プロトコルオーバーヘッドでスループットは変わります。
一つの通信事業者が弱い場合、追加した通信事業者が常に速度向上へ寄与するとは限りません。ネットワークは品質の悪いSCellを外したり、制御だけを安定した低帯域のPCellへ残したりします。
LTEとNRを同時に使う構成とは区別する
LTE内で複数通信事業者を束ねるLTE CAと、NR内で複数通信事業者を束ねるNR CAがあります。一方、LTEノードとNRノードを同時利用するEN-DCなどはdual connectivity(デュアル・コネクティビティ)で、異なるノード・無線アクセス間の協調を含みます。
CAを確認するときは、世代名だけでなく、帯域組み合わせ、構成要素通信事業者数、各チャネル幅、PCell・SCell、下り・上り、端末対応を一組で見ます。
LTE・NRのcomponent carrier、band combination、primary・secondary cellと複数carrier利用の確認資料:3GPP「Carrier Aggregation on Mobile Networks」