IPアドレス競合とは
IPアドレス競合(IP address conflict/アイピー・アドレス・コンフリクト)は、同じネットワーク内で複数機器が同一IPアドレスを使い、通信が不安定になる状態です。
同一リンク上で一つのIPv4アドレスに異なるMACアドレスが応答すると、近隣機器情報が入れ替わり、パケットが端末A・Bのどちらへ届くか安定しません。片方だけ通信不能、接続が交互に切れる、警告が出るなどの症状になります。
同じプライベートアドレスが別々の家庭LANにあるのは正常です。競合は経路制御で分離されていない同じアドレス利用範囲に、二つのインターフェースが現れると起きます。

よくある原因
複製した設定の展開や台帳漏れで、同じアドレスを入れることがあります。
DHCPサーバーが把握していない固定設定の端末と同じアドレスを、別の端末へ貸し出してしまいます。
不正なルーターや移行中サーバーの配布範囲が重なる場合があります。
リース失効後に別端末へ渡されたアドレスと衝突します。
IPv4 ACDとIPv6 DAD
IPv4 Address Conflict Detectionでは、新しいアドレスを使う前にARP確認要求を送り、既利用者がいないか確認します。利用開始時の通知と、競合検出後に防御するかアドレスを放棄する規則もあります。
IPv6ではSLAAC・手動アドレスへDuplicate Address Detection(DAD)を行い、仮状態アドレスに対するNeighbor Solicitationで重複を確認します。検出したアドレスを通常利用へ進めません。
調査と復旧
- 対象VLANを特定するアドレス、プレフィックス、インターフェース、発生時刻を記録します。
- 近隣機器変動を観測するARP・近隣機器キャッシュ、スイッチポート番号、DHCPリースを照合します。
- 片方を隔離する誤操作を防ぎながらMACアドレスと物理ポート番号を確認します。
- 一意なアドレスへ直すDHCP予約、手動範囲、IPAM台帳を更新します。
- キャッシュを自然更新・再学習させる必要に応じて安全に近隣機器情報とリースを更新します。
単にルーターを再起動すると一時的にキャッシュが消えても重複設定は残ります。原因の二台とアドレス配布経路を特定します。
IPアドレス競合は同じリンク上の一つのアドレスへ複数インターフェースが応答する状態です。近隣機器変動、DHCPリース、手動台帳から二台を特定し、ACD・DADと重複しないアドレス管理で防ぎます。
IPv4アドレスの競合検出:RFC 5227/IPv6 DAD:RFC 4862