レジストリとは
ドメインレジストリ(domain name registry/ドメイン・ネーム・レジストリ)は、特定のトップレベルドメインの登録データベースとDNS基盤を管理する組織です。
.com、.org、.jp等、担当TLDの直下にあるドメイン名が重複しないよう登録状態を一元管理し、レジストラからの手続きを受け、TLDゾーンを生成・公開します。
レジストリは通常、利用者が日常的に契約する小売窓口ではありません。複数レジストラが共有する一つの共有登録データベースとDNS基盤を運用します。

レジストリ運営者の主な機能
ドメインオブジェクト、位置付け、期限、レジストラ関係等を一意に管理します。
登録、更新、移管、情報変更、削除等を認証済み通信路で処理します。
登録済みドメインのNS・グルー・DS等からゾーンを生成します。
方針に従い、RDAP等で公開可能な登録データを提供します。
冗長拠点、DNSエニーキャスト、バックアップ、データエスクロー、監視を設計します。
レジストラとの接点
レジストラは登録者の申請を受け、レジストリへ標準プロトコルで命令を送ります。代表的なEPPではドメイン、連絡先、ホスト等のオブジェクトを操作し、認可と状態コードで結果を返します。
レジストリはレジストラごとの小売価格やサポート画面を決めるのではなく、TLD全体の登録規則、技術サービス、卸売り料金等を契約・方針に従って運用します。
登録データベースからDNSゾーンへ
登録データベースにはドメインの管理担当レジストラ、位置付け、有効期限、ネームサーバー、DNSSEC用DS等が保存されます。ゾーン生成システムは公開に必要な委任情報を取り出し、TLDの権威DNSへ配布します。
レジストリデータベースへ登録があっても、委任先ネームサーバーが正しく応答しなければサイトへ到達できません。登録状態、TLDの委任、ドメインのDNSゾーン、Webサーバーの四層を分けて診断します。
RDDSと登録データ
RDDS(Registration Data Directory Services/レジストレーション・データ・ディレクトリ・サービス)は、ドメイン登録データを照会するサービス群です。gTLDではRDAPが構造化された主な照会手段です。
公開範囲は個人情報保護法制とICANNの方針等に従い、個人データが非表示化されることがあります。非公開表示は「登録者が存在しない」ことではありません。
シックレジストリとシンレジストリ
シックレジストリは登録者・連絡先等を含む広い登録データをレジストリ側へ保持し、シンレジストリは中心的なドメインデータをレジストリ、詳細連絡先をレジストラへ分けるモデルです。
現在どのデータを誰が保持・公開するかはTLD、契約、方針、移行状態で確認します。用語だけから個人データの公開範囲を決めつけません。
可用性と継続性
TLDのDNS、EPP、RDAP等はサービスごとに性能・可用性要件を持ちます。複数拠点、エニーキャスト、容量計画、DDoS対策、監視、変更管理で障害範囲を分けます。
レジストリデータのエスクローは、運営者に重大な問題が起きた際の継続性を支えるため、登録データの複製を指定先へ預託する仕組みです。日常バックアップと目的・保管主体が異なります。
gTLDとccTLD
gTLDレジストリ運営者はICANNとのレジストリ契約と合意形成に基づく方針に従います。ccTLDレジストリは各国・地域コミュニティ、現地法、IANAによる委任等の枠組みを持ち、運用・登録資格・レジストラ制度が同一とは限りません。
また「レジストリ」はIPアドレス・ASNの台帳を管理するRIR/NIRにも使う一般語です。このページのドメインレジストリと、APNIC・JPNICの番号資源レジストリは対象資源が違います。
ドメインレジストリは一つのTLDについて、複数レジストラが共有する登録データベース、EPP、DNSゾーン、RDDS、継続性を運用します。小売窓口、ドメインのDNSゾーン、ホスティング、番号資源レジストリとは役割を分けます。
registryとregistrarの役割:ICANN「What Does ICANN Do?」/registration data・RDDS:ICANN「WHOIS and Registration Data Directory Services」