ICANNとは
ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers/インターネット・コーポレーション・フォー・アサインド・ネームズ・アンド・ナンバーズ/アイキャン)は、ドメイン名やIPアドレスなど、インターネットの一意な識別資源の全体調整を担う非営利組織です。
世界のどこから同じドメイン名を使っても、原則として同じDNS階層へ到達できるよう、名前・番号・プロトコル引数の一意性と安定した運用を支えます。
ICANNはWebサイトの内容を審査する「インターネットの管理者」ではありません。迷惑メールの削除、違法情報の判断、家庭回線の提供、個々の通信経路の制御は担当外です。

三つの識別子体系を調整する
ルートゾーン変更、gTLDレジストリとの契約、レジストラ認定等を支えます。
IANA機能とRIR体系を通じ、世界で重複しない番号資源を調整します。
IETF等が定めた方針に従い、プロトコルレジストリの運用を支えます。
コミュニティ・理事会・事務局
ICANNコミュニティは、技術者、レジストリ・レジストラ、企業、非商業利用者、一般利用者、政府等の参加者が方針案と助言を作る場です。Supporting Organizations(支持組織)とAdvisory Committees(諮問委員会)など、役割の異なる集まりがあります。
ICANN Board(ICANN理事会)は組織の戦略的監督と意思決定を担い、ICANN Organization(ICANN事務局)は職員と資源によってコミュニティと理事会を支え、採択された方針や契約を実施します。三者を「ICANN本部の一部署」とまとめません。
マルチステークホルダーモデル
multistakeholder(マルチステークホルダー)は、単一政府や企業だけで決めず、影響を受ける複数の立場が公開手続きへ参加する考え方です。公開コメント、ワーキンググループ、会議記録、異議申立て等を通じて検討します。
すべての参加者の希望が同じ重みでそのまま採択されるという意味ではありません。ICANNの限定された使命、技術的安定性、既存方針、契約、法的責任を踏まえて意思決定されます。
gTLDでは契約と認定が見える
.com等の分野別トップレベルドメインでは、ICANNはレジストリ運営者と契約し、レジストラを認定します。利用者はレジストラからドメイン名を登録し、レジストリがTLD全体の共有データベースとDNSゾーンを運用します。
国別コードトップレベルドメインは、地域コミュニティ、現地法、管理者との関係がgTLDと同一ではありません。「すべてのTLDをICANNが同じ契約で直接販売する」と理解しません。
IANAはICANNと同義ではない
IANA機能は、ルートゾーン、番号資源、プロトコルパラメーターレジストリを実務的に運用する機能です。現在はICANNの関連団体であるPublic Technical Identifiers(PTI)が提供します。
ICANNのコミュニティ方針形成・契約監督までをIANAと呼ぶわけではなく、IANAの台帳更新が独自に技術標準を決めるわけでもありません。方針を作る主体と、方針に従って登録する機能を分けます。
問題が起きたときの窓口を選ぶ
ドメインの更新、移管、アカウント情報はまずレジストラへ問い合わせます。DNSレコードやホスティング内容はDNS事業者・サーバー運営者、接続障害はISP、Web本文はサイト運営者が担当します。
ICANNには認定済みレジストラや契約済みレジストリに関する準拠手続きがありますが、契約当事者間のすべての金銭紛争、商標判断、内容削除を代行する窓口ではありません。
ICANNはインターネット全体を所有する機関ではなく、世界で一意に使うドメイン名・IPアドレス・プロトコルパラメーターの体系を、コミュニティ、理事会、事務局、IANA機能、契約関係を通じて調整します。
mission・三つの識別子・multistakeholder model:ICANN「About ICANN」/担当すること・しないこと:ICANN「What Does ICANN Do?」