Aレコードとは
Aレコードは、DNSで一つのドメイン名に一つのIPv4アドレスを対応付けるリソースレコードです。一般にA record(エー・レコード)と読み、AはAddress(アドレス)を表します。
レコードのデータ部分には、32ビットのIPv4アドレスが一つ入ります。表示時には192.0.2.10のようなドット区切りの十進表記が使われますが、DNSメッセージ内では4オクテットの値です。
一件のAレコードが持つアドレスは一つですが、同じ名前へ複数のAレコードを登録できます。「一つの名前には一つのIPv4だけ」とは限りません。

Aレコードは、五つの要素に分けると読める
www.example.test.どの名前の情報か
3600キャッシュ可能秒数
INインターネット用
AIPv4アドレス
192.0.2.1032ビットのアドレス一つ
ポート番号、通信方式、URLのパスは入らない
Aレコードが示すのはIPv4アドレスです。Webの80番・443番といったポート番号、HTTPかHTTPSか、/news/のようなURLのパスは含みません。アプリはURLのスキームや既定値、別の設定から通信方式とポートを決めます。
また、Aレコードの存在は、そのアドレスでWebサーバーが動作していることや、TLS証明書が名前に一致することを保証しません。名前解決で接続候補を得た後、各層の処理が続きます。
複数のAレコードは、一つのRRsetとして扱う
同じ所有者名・種類・クラスを持つ複数レコードの集合がRRsetです。RRset内の各Aレコードは同じTTLで扱われ、DNSキャッシュにも集合として保存されます。権威DNSが応答順を変えることはありますが、クライアントが必ず先頭だけを使うとは限りません。
大規模サービスでは、利用者の地域や問い合わせ元に応じて異なるRRsetを返す運用もあります。その場合も、返された一件一件のAレコードのデータは一つのIPv4アドレスです。
逆引きはAレコードを反対向きに読む処理ではない
IPv4アドレスから名前を調べるときは、アドレスのオクテット順を逆にしてin-addr.arpa配下の名前を作り、PTRレコードを問い合わせます。Aレコードを値から検索する標準的な逆向き処理ではありません。
正引きのAと逆引きのPTRは別に管理されるため、両方が一致する保証はありません。メール運用などで整合性が求められる場合は、双方を意図的に設定して確認します。
仕様の確認資料:RFC 1035「Domain Names — Implementation and Specification」、RFC 2181「Clarifications to the DNS Specification」