シークレットモードとは
シークレットモードは、閲覧履歴やCookieなどを通常より残しにくくするブラウザ機能で、匿名化そのものではありません。製品によりIncognito mode(インコグニート・モード)、プライベート閲覧、プライベート時間窓などと呼びます。
通常の時間窓と別の一時的なブラウザーセッションを作り、そのプライベート時間窓群をすべて閉じたときに、訪問履歴、フォーム入力履歴、セッション中のCookieなどを端末から削除します。
主に「この端末の次の利用者へ閲覧の痕跡を残しにくくする」機能です。Webサイト、接続先ネットワーク、勤務先や学校、通信事業者から通信を見えなくする機能ではありません。

開始・閲覧・保存・終了で残る場所が変わる
- 開始通常プロファイルとは別のCookie jarや一時保存領域を用意します。ブックマークや保存済みパスワードへアクセスできる設定もあります。
- 閲覧中Cookieとサイトデータは存在し、ログイン状態やshopping cartを維持します。追跡が完全に止まるわけではありません。
- 明示保存ダウンロードしたファイル、作成したブックマーク、保存を許可したパスワードは、時間窓を閉じても残る場合があります。
- 全時間窓終了プライベートセッションの閲覧履歴、Cookie、フォームデータなどを端末の通常履歴へ残さないよう削除します。
- 端末外Webサーバーのアクセスログ、ログイン履歴、DNSリゾルバー、ルーターや組織ネットワークの記録は別の場所に残り得ます。
- 再利用新しいプライベートセッションでは以前の一時Cookieを使いませんが、同じIPやアカウントで再識別されることがあります。
消えやすいものと残るもの
一般に、訪問ページ一覧、検索・フォーム入力履歴、セッション中に作られたCookie・サイトデータ、時間窓を閉じるまでの権限状態は残りにくくなります。ただしブラウザー異常終了、拡張、OSのrecent files、クリップボード、スワップやマルウェアなど、ブラウザー外の痕跡まで保証しません。
ダウンロードファイルはブラウザー履歴から消えてもディスクに残ります。ブックマークは利用者が残すよう指示した情報です。印刷履歴、クラウドストレージへのアップロード、画面キャプチャーも別の操作として残ります。
ログインすればサイトには同じ利用者だと分かる
プライベート時間窓でアカウントへログインすると、サイトはアカウントID、操作、購入、投稿を記録できます。Cookieが終了時に消えても、サーバー側の記録は削除されません。ログインしなくてもIPアドレス、ブラウザー情報、行動から関連付けられる可能性があります。
追跡防止機能を強めるブラウザーもありますが、それはプライベートセッションと別のプライバシー機能です。ブラウザフィンガープリント、IP、当事者アカウントなど複数の識別経路が残ります。
VPNやTorとの役割は異なる
VPNは端末からVPNエンドポイントまでのネットワークトラフィック経路を変え、ローカルネットワークから内容を見えにくくしますが、VPN事業者が新しい観測点になります。Torは複数中継とブラウザー側対策を組み合わせます。
シークレットモードは主に端末内の保存境界を変え、パブリックIPや経路を変えません。目的に応じて組み合わせても、一つの機能を「完全匿名」とみなしません。
共用端末で一時的に利用する場合も、全プライベート時間窓を閉じ、ダウンロードファイルとログインセッションを確認し、重要アカウントでは端末自体を信頼できるか判断します。
private browsingで保存されない情報・残る情報の確認資料:Google Chrome Help「Browse in Incognito mode」、Mozilla Support「Private Browsing」