メンテナンスとは
メンテナンス(maintenance)は、設備やソフトウェアの点検・更新のため、サービスを計画的に停止または制限する作業です。
目的は単に停止時間を作ることではなく、故障予防、セキュリティ修正、処理能力の増強、データ移行、機器交換などの変更を、予測可能な影響範囲と復旧手段のもとで行うことです。
予定時刻になってから手順を考える作業は計画メンテナンスではありません。事前の危険度評価、切り戻し条件、観測方法、連絡先までが作業の一部です。

作業前に決めること
構成要素、地域、利用組織、機能、主要な利用手順を洗い出します。
作業、検証、切り戻しに必要な時間を分けます。
単一障害点、元に戻せないデータ変更、同時作業を評価します。
時間帯、影響サービス、利用者側の作業、問い合わせ先を明確にします。
判断者、必要な成果物、データ互換性を事前確認します。
安全な実施順
- 基準状態を保存する指標、設定、版、バックアップ・復元可能性を確認します。
- 新規通信の流入を止める新しい要求を止め、処理中の要求を安全に完了させます。
- 一度に小さく変更する段階配備や一台ずつの交換で影響範囲を抑えます。
- 技術面と利用者操作を検証する稼働確認用の接続口だけでなく、代表的な操作とデータ整合性を確認します。
- 段階復帰して監視する通信を戻し、エラー・遅延・飽和度を観測します。
メンテナンスと障害
計画した影響でも、告知外の範囲、予定超過、切り戻し不能、データ損失が起きれば障害として扱います。「メンテナンス中だから障害ではない」とせず、利用者への影響を基準に障害対応へ切り替えます。
SLAで計画メンテナンスを可用性計算から除外するかは契約定義によります。告知期限・許容期間・対象範囲を満たさない作業まで自動除外されるとは限りません。
作業後に記録する
実時刻、変更内容、検証結果、予想外の差、監視不足、利用者からの問い合わせを変更記録へ残します。定型作業も自動化と事前練習で人為的な誤りを減らします。
メンテナンスは、計画された変更の一連の流れです。影響評価、告知、バックアップ、ドレイニング、実施、検証、切り戻し、段階復帰、記録を一つの手順として扱い、予定外の影響が出た場合は障害対応へ切り替えます。
Webサービスの安全な公開・切り戻し・観測:Google SRE Book「Release Engineering」