用語辞典・ネットワーク機器

LANケーブル

LANケーブルとは

LANケーブルは、イーサネットなどの有線LAN接続に使うケーブルの総称です。日常的には、両端にモジュラープラグが付いたbalanced twisted-pair cable(バランスト・ツイステッドペア・ケーブル/平衡撚り対ケーブル)を指すことが多くあります。

一般的な銅線Ethernetケーブルは、2本の絶縁導体を撚ったペアを4組、合計8芯収めます。2本を対にして逆向きの信号を流し、外来ノイズとケーブル自身から出る妨害を打ち消しやすくします。

性能を決めるのは「8本つながっているか」だけではなく、ペアの組み方、撚り、導体、長さ、コネクター、施工を含む一つの伝送路です。導通したケーブルでも、高速通信の規格性能を満たすとは限りません。

4組の撚り対を中心に、導体・外被・シールド・成端まで一続きで見る長さ、曲げ、撚り戻し、PoEの電流はすべて伝送品質へ影響する
青、橙、緑、茶の四対八芯を持つLANケーブル断面を中央に置き、壁内固定配線と柔軟なパッチコード、固定区間と両端コードから成る長さ、PoEの電力とデータ、安全な曲げと折れ、正しい撚り保持と過度な撚り戻し、シールド接地を比較した図解
図1シールドを使えば自動的に高性能になるわけではありません。対応コネクターと接地を含めた配線系として設計します。

カテゴリーはケーブル単体の数字ではなく、周波数特性をそろえる区分である

速度名、カテゴリー、距離、施工条件を一組で選ぶ大きなカテゴリー番号だけを選んでも、端末のリンク速度は上がらない
Pairs4対の平衡を保つ

色ではなく対の組み合わせを守り、コネクター直前まで撚りを残す

Category必要周波数を満たす

ケーブル、ジャック、プラグ、パッチパネルを対応区分でそろえる

Lengthチャネル全体で測る

固定配線だけでなく、両端のパッチコードと接続点を含める

Install曲げ・圧迫・熱を避ける

結束の締め過ぎ、扉の挟み込み、電力線との不適切な並走を防ぐ

PowerPoEの温度上昇を見る

束ねる本数、導体径、接続抵抗、給電クラスに合う部材を選ぶ

Test目的に合う試験をする

結線確認、実リンク確認、規格性能の認証試験を区別する

図2カテゴリーは互換性の一要素です。たとえば10GBASE‑Tの到達距離はカテゴリーと配線条件で変わります。

一般的なチャネル上限は100mだが、すべての方式に一律ではない

1000BASE‑Tなどの標準的な構内配線では、固定配線90mと両端のパッチコード等を合わせた100mチャネルが代表的です。しかし速度・カテゴリー・温度・コード構成により許容長は変わり、10GBASE‑Tをカテゴリー6で使う場合などは短い条件があります。

延長コネクターを重ねると接続点の損失と反射が増えます。長距離ではスイッチを適切な場所へ置くか、光ファイバーを検討します。「100mまで」という数字だけでなく、採用するEthernet PHYと配線規格の組み合わせを確認します。

固定配線は単線、取り回すコードは撚り線が基本になる

solid conductor(ソリッド・コンダクター/単線)は一本の導体で損失を抑えやすく、壁内・天井内の固定配線に向きます。stranded conductor(ストランデッド・コンダクター/撚り線)は細い素線を束ねて柔軟にし、機器を動かすパッチコードに向きます。

プラグの接点形状には単線用、撚り線用、兼用があります。合わないプラグを圧着すると接触が不安定になります。アルミ芯へ銅を被せたCCAは抵抗が高く、標準的な構内配線用銅ケーブルと同等に扱えないため、材料表示を確認します。

UTPとシールド付きは、設置環境と接地まで含めて選ぶ

日本でUTPと呼ぶものの多くは、全体にも各ペアにもシールドを持たないU/UTPです。F/UTPは全体を箔で囲み、S/FTPは全体の編組と各ペアの箔など、記号で構成を表せます。

シールドは電磁環境で有効ですが、対応するジャック、パッチパネル、機器側の接地経路が必要です。不適切な接地は効果を得られないだけでなく、設備間の電位差に注意が必要です。家庭内で短距離なら、必要カテゴリーを満たすU/UTPが扱いやすい場合も多くあります。

ストレートとクロスの違いは、現在はAuto MDI‑Xが吸収することが多い

両端を同じT568Aまたは同じT568Bで結線したものがストレート配線です。片端A・片端Bは送受信ペアを入れ替えるクロス配線になります。現在の多くのポートはAuto MDI‑X(オート・エムディーアイ・エックス)で自動補正します。

ただし、対の対応を無視して1番から8番を見た目だけ直結するsplit pair(スプリット・ペア/対崩れ)は補正できません。導通テスターでは通って見えることがあるため、リンク不安定時はペア配列と性能を確認します。

PoEでは同じ導体が通信と給電を担う

PoE(Power over Ethernet/パワー・オーバー・イーサネット)は、対応する給電機器と受電機器の間でLAN配線から電力を供給します。通信信号と直流電力を共存させ、アクセスポイント、IP電話、カメラなどへ別電源なしで接続できます。

高い電力、細い導体、大きな束、接触不良は発熱を増やします。ケーブルのカテゴリーだけでなく、導体径、温度定格、コネクター、束ね方、PoEクラスを確認します。非対応機器へ無条件に電圧を加える簡易アダプターは標準PoEと区別します。

仕様の確認資料:IEEE 802.3‑2022「Ethernet」IEC 60603‑7:2020「8-way, unshielded connectors」TIA Standards

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