ONUとは
ONUは、光回線の光信号と家庭内機器が扱う電気信号を相互変換する終端装置です。正式名称はOptical Network Unit(オプティカル・ネットワーク・ユニット)、読み方はオーエヌユーです。日本のFTTHでは宅内に設置する「回線終端装置」を指す言葉として広く使われます。
ITU‑Tの定義では、ONUは光分配網ODN(Optical Distribution Network/オプティカル・ディストリビューション・ネットワーク)の末端を終端し、利用者側インターフェースを提供するネットワーク要素です。
ONUは光を電気へ変えるだけの箱ではありません。PONのフレーム処理、装置識別、暗号、上り送信時刻の制御、回線監視を行い、事業者側のOLTと一組で動作します。

OLT・ODN・ONUで、一本のPONシステムを構成する
事業者局側でPONの根元を終端し、複数ONUの帯域・時刻・登録を管理する
光ファイバー、スプリッター、コネクターなどでOLTと複数ONUを受動的に結ぶ
分岐の末端で自分宛ての通信を処理し、利用者側へEthernetなどを提供する
下りは全ONUへ届き、各ONUが自分の通信を取り出す
OLTから送った下り光はスプリッターで物理的に複数宅へ分かれます。各ONUはPONフレームを受信し、割り当てられた識別情報に基づいて自分向けの内容を処理します。ほかの利用者向けデータを利用できないよう、PON方式は下り暗号化も備えます。
光の波長、フレーム形式、速度はGPON、XG-PON、10G-EPONなど方式で異なります。同じ光コネクターに見えても相互互換とは限らず、事業者が指定・登録したONUを使います。
上りは、OLTが割り当てる短い時間枠へ送る
複数ONUが同じ合流点へ同時送信すると光信号が衝突します。OLTは各ONUまでの距離差を測るranging(レンジング)を行い、送信タイミングをそろえます。その上でONUごとに上り送信の時間枠を割り当てます。
利用量に応じて枠を配るDBA(Dynamic Bandwidth Allocation/ダイナミック・バンドウィズ・アロケーション)により、共有する上り容量を効率化します。契約速度だけでなく、同じPON枝の混雑や事業者設備が実効速度へ影響します。
ONUとルーターは、通信を終端する層が違う
ONUは光アクセス網を終端し、家庭側へEthernetなどを提供します。ルーターは家庭LANと事業者IP網の間でパケットを転送し、NAT、DHCP、ファイアウォール、Wi‑Fiなどを担います。
一体型ホームゲートウェイにはONUとルーター機能が同じ筐体に収まる場合があります。別体なら「光ファイバー → ONU → Ethernet → ルーター」の順です。ONUのLANポートへPCを直結できても、安全な家庭LANを作るルーター機能まであるとは限りません。
ONTは歴史的に単一加入者向けONUを指す
ONT(Optical Network Terminal/オプティカル・ネットワーク・ターミナル)は、ITU‑Tでは歴史的に単一加入者を収容するONUを表した言葉です。現在の勧告では、利用者インターフェースの種類や光配線の深さにかかわらずONUを一般名称として使います。
製品・地域によってONUとONTをほぼ同義に使うことがあります。名称だけで家庭用・集合住宅用、ルーター内蔵、電話ポートの有無を判断せず、インターフェースを確認します。
ランプは、電源・光リンク・事業者登録・LANを分けて読む
代表的なONUには電源、PON/光回線、認証、UNI/LAN、警報を示すランプがあります。電源が入っていても光リンクが確立していなければ通信できません。赤いLOS(Loss of Signal)相当の表示は、光が受信できない状態を示すことがあります。
ランプ名と正常色は製品で異なります。説明書と事業者の障害情報を確認し、光コネクターをむやみに抜き差ししません。光ファイバー端面をのぞかず、急角度に曲げず、清掃は指定手順で行うことが安全と品質の基本です。
仕様の確認資料:ITU‑T G.9807.1 Amendment 1(ONU・OLT・PONの定義)、ITU‑T G.984.1「GPON: General characteristics」、ITU‑T G.988「ONU Management and Control Interface」