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クラウドサーバー

クラウドサーバーとは

クラウドサーバーは、クラウド基盤上で必要に応じて作成・変更できる仮想サーバーです。多くはIaaSの仮想機として、管理画面やAPIからCPU、メモリ、ディスク、ネットワークを指定して起動します。

NISTのクラウド定義では、オンデマンドの自己サービス、広いネットワークアクセス、資源プール、迅速な弾力性、計測可能なサービスが主要な特徴です。単に遠隔地の仮想機であるだけでなく、必要時に資源を確保・解放・自動化できる提供モデルが中心です。

クラウドサーバー一台が壊れないのではありません。障害を前提に、イメージ、永続データ、複数の障害領域、自動再作成を組み合わせられる点が重要です。

複数設備の計算・メモリ・保存・ネットワーク資源から仮想機を組み立て、必要量を増減する一台の機械ではなく、資源プールと制御機能から提供される
二つの設備群にある計算、メモリ、保存、ネットワークの資源プールから制御装置が仮想サーバーを作り、資源追加とスナップショットからの再作成を行うクラウドサーバーのピクトグラム図解
図1同じ名称のサービスでも、仮想機のライブ移動、停止時課金、ローカルディスク、障害時の再起動条件は異なります。

作成から廃棄までを自動化できる

サーバーを長く手作業で育てるだけでなく、定義から同じ構成を再作成する仮想機本体と、残すデータを分離して設計する
Image起動元を選ぶ

OSイメージ、自作イメージ、テンプレートから初期ディスクと設定を用意する。

Provision資源を確保する

仮想CPU、メモリ、ネットワーク、権限、配置先をAPIまたは管理画面で指定する。

Configure同じ構成へ整える

初期化スクリプトや構成管理でユーザー、更新、アプリ、監視を再現する。

Observe利用量を測る

CPU、メモリ、I/O、転送、応答、費用を観測し、必要量と異常を判断する。

Scale・replace増減・置換する

大きい型への変更、台数追加、障害機の再作成を、停止条件を考えて行う。

Delete資源を解放する

仮想機、ディスク、IP、スナップショット、鍵、DNS、ログの残存を確認する。

図2削除した仮想機へ接続していた永続ディスクや固定IPが残ると、利用していなくても課金や情報露出が続く場合があります。

VPSとの違いは仮想化技術だけではない

VPSもクラウドサーバーも、ハイパーバイザー上のVMとして動くことがあります。VPSは比較的固定されたプランと月額契約で一台を長期利用する提供形態が多く、クラウドはAPI、短い単位の計測、即時作成、資源変更、他サービス連携を前提にする傾向があります。

ただし製品名だけでは判定できません。NISTの五つの特徴がどこまで提供され、どの操作を自動化できるかを確認します。「クラウド」という名称でも、停止中の資源や予約容量には固定費がかかります。

イメージ、仮想ディスク、スナップショットを分ける

イメージは新しい仮想機の起動元、仮想ディスクは稼働中のOSやデータを保存する装置、スナップショットはディスクなどの特定時点を記録する機能です。三者の複製範囲と整合性は同じではありません。

アプリの状態を仮想機ローカルへだけ置くと、置換で失います。重要データは永続ディスク、マネージドデータベース、オブジェクトストレージなど適切な保存先へ分け、バックアップを別の障害領域へ持ちます。

停止、再起動、再作成は別の操作

再起動は同じ仮想機内でOSを起動し直し、停止・開始は計算資源を一時解放して別ホストへ配置される場合があり、再作成は定義から新しい仮想機を作ります。ローカルIPや一時ディスクが変わる条件を確認します。

一台の内部を手で変更し続けると、同じ構成を再現できません。Infrastructure as Code、構成管理、バージョン管理を使い、秘密情報はイメージへ焼き込まず専用の保管機能から渡します。

地域とゾーンは障害範囲を設計する手掛かり

クラウド事業者は地理的な地域と、その中の独立性を意識したゾーンを提供することがあります。ただし電源・ネットワーク・制御機能の分離範囲は各社で異なります。二台を作っても同じ物理ホストやゾーンへ置けば、同じ障害で止まる可能性があります。

可用性が必要なら、配置ルール、複数ゾーン、負荷分散、データ複製を組み合わせます。地域をまたぐ構成は遅延、転送料、データ所在、整合性、復旧手順の複雑さも増やします。

弾力性はアプリ側の条件を満たして初めて働く

CPU負荷に応じて仮想機を増やせても、セッションやアップロードを一台のローカルディスクへ保存していると、別の台へ要求を振り分けられません。外部セッション、共有データストア、冪等な初期化、ヘルスチェックが必要です。

台数を減らすときに処理中の要求を排出し、キューや定期処理を二重実行しない仕組みも必要です。「自動スケールを有効にする」だけで安全な伸縮が完成するわけではありません。

費用は計算資源以外にも発生する

仮想CPUとメモリの稼働時間に加え、ディスク容量・I/O、スナップショット、外向き転送、固定IP、ロードバランサー、ログ、監視、バックアップ、サポートへ費用がかかります。停止してもディスクなどは残ります。

予算通知、タグ、権限、削除期限を設定し、用途不明の資源を定期的に探します。安価な小型仮想機でも、侵害されて大量通信や計算を行えば費用が増えるため、利用上限と異常検知を設けます。

責任共有モデルをサービス単位で読む

事業者はデータセンター、物理機、仮想化基盤などを管理します。IaaSの利用者はゲストOS、アカウント、ネットワーク規則、アプリ、データ、バックアップを管理します。マネージドサービスを使えば境界は上へ移りますが、アクセス権とデータの責任は残ります。

クラウドサーバーは「消えないサーバー」ではなく、「定義から素早く作り直せるサーバー」です。残すデータと再現する構成を分けて運用します。

クラウド提供モデルの確認資料:NIST SP 800-145(The NIST Definition of Cloud Computing)NIST SP 800-125A Rev.1(Hypervisor Platforms)

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