DHCPv6とは
DHCPv6は、IPv6端末へアドレス、DNS情報、委任プレフィックスなどを配布するクライアント・サーバー型の設定プロトコルです。正式名称はDynamic Host Configuration Protocol for IPv6(ダイナミック・ホスト・コンフィグレーション・プロトコル・フォー・アイピーブイシックス)です。
端末自身へアドレスを割り当てるstateful(ステートフル)運用、アドレス以外の設定だけを渡すstateless(ステートレス)運用、ルーターへ下流LAN用プレフィックスを渡すPrefix Delegationがあります。
DHCPv6はIPv6のデフォルトゲートウェイを配りません。デフォルトルーターはRAから学習するため、DHCPv4と同じ項目がそのまま並ぶわけではありません。

三つの配布方法を使い分ける
サーバーがアドレスとPreferred・Valid Lifetimeを管理し、クライアントが更新する
SLAACのアドレスを使いながら、DNSサーバーや検索ドメインなどを受け取る
委任された範囲を家庭・組織のルーターが複数の下流リンクへ広告する
基本の四メッセージで候補を選び、確定する
クライアントはSolicit(ソリシット)でサーバーを探し、サーバーはAdvertise(アドバタイズ)で利用可能な設定を示します。クライアントがRequest(リクエスト)を送り、サーバーのReply(リプライ)で確定します。
サーバーが対応し、クライアントがRapid Commitオプションを求める場合は、Solicitと応答の二往復で確定できます。更新時はRenew、別サーバーも含めた再確保はRebind、返却はReleaseを使います。
DUIDとIAIDで、クライアントと資源のまとまりを識別する
DUID(DHCP Unique Identifier/ディーエイチシーピー・ユニーク・アイデンティファイア)はクライアントやサーバーを識別する値です。端末の現在のIPv6アドレスそのものではなく、再起動やインターフェース変更を越えて同じクライアントを扱うために使われます。
IAID(Identity Association Identifier/アイデンティティー・アソシエーション・アイデンティファイア)は、一つのクライアント内にあるIAを区別します。DUIDとIAIDの組で、どのクライアントのどの資源集合かをサーバーが追跡できます。
RAのM・Oフラグは手掛かりであり、経路情報ではない
RAのMフラグは管理されたアドレス設定、Oフラグはその他の設定にDHCPv6が利用できることを示します。ただし端末の実装や管理ポリシーにより動作は異なり、フラグだけを見て全端末の対応を断定できません。
DHCPv6クライアントはUDP 546番、サーバーとリレーはUDP 547番を使用します。一方、RAはICMPv6で届きます。ファイアウォールで片方だけを通しても、完全なIPv6設定にならない場合があります。
仕様の確認資料:RFC 8415「Dynamic Host Configuration Protocol for IPv6」