RAとは
RAは、IPv6ルーターが端末へデフォルト経路、プレフィックス、各種リンク設定を知らせるICMPv6メッセージです。正式名称はRouter Advertisement(ルーター・アドバタイズメント)です。
ルーターはRAを定期的に送るほか、端末からRS(Router Solicitation/ルーター・ソリシテーション)を受けたときにも応答します。端末は起動後すぐにRSを送り、広告待ちの時間を短縮できます。
RAは「IPv6アドレスを通知するだけの放送」ではありません。デフォルトルーター、オンリンク判定、SLAAC、MTU、DNSなど、リンクで通信するための複数情報を運びます。

RAに入る情報を、役割別に読む
送信元ルーターを候補として保持する秒数。0ならデフォルトルーターには使わない
Lはオンリンク判定、AはSLAACへの利用を独立して示す
端末がそのリンクで使うMTUを通知する
管理アドレスとその他設定の利用可能性を示す
再帰DNSサーバーとDNS検索リストを寿命付きで知らせる
デフォルトルーターとオンリンク判定は別
Router Lifetimeが0より大きいRAを受けると、端末は送信元をデフォルトルーター候補へ加えます。一方、PIOのLフラグは、そのプレフィックスに含まれる宛先をルーターへ渡さず同一リンク上で直接解決するための情報です。
この二つを分けることで、プレフィックス情報を配るがデフォルトルーターにはならない装置や、デフォルトルーターではあるが特定PIOをSLAACへ使わせない構成を表現できます。
A・L・M・Oを一列のモード選択にしない
PIOのAとLはプレフィックスごとに付きます。RAヘッダーのMとOはルーター広告全体に含まれ、DHCPv6利用の手掛かりになります。Aが1でMも1という併用も可能です。
端末やOSは、管理者設定や実装方針に従ってDHCPv6を起動します。したがって「Mが0ならDHCPv6メッセージは存在しない」「Oが1ならすべてのOSがDNSを取得する」とは断定できません。
偽のRAは、経路やDNSを誤らせる
同じLANへ接続した不正端末や誤設定ルーターがRAを送ると、利用者端末のデフォルト経路、プレフィックス、DNS設定を変えられる可能性があります。症状は「IPv6だけ不安定」「一部端末だけ別経路」として現れることがあります。
管理スイッチのRA Guard(アールエー・ガード)は、許可したポート以外からのRAを抑止する対策です。ただし拡張ヘッダーなどを含む回避への対応は機器実装に依存するため、端末側保護、ポート管理、監視と組み合わせます。
仕様の確認資料:RFC 4861「Neighbor Discovery for IP version 6」、RFC 8106「IPv6 Router Advertisement Options for DNS Configuration」、RFC 6105「IPv6 Router Advertisement Guard」