インターフェースIDとは
インターフェースIDは、IPv6アドレスのうち、同じサブネットプレフィックス内で一つのネットワークインターフェースを識別する部分です。英語ではinterface identifier(インターフェース・アイデンティファイア)、略してIID(アイアイディー)と表します。
一般的なIPv6ユニキャストアドレスでは、先頭64ビットのIPv6プレフィックスに、後半64ビットのIIDを組み合わせます。同じプレフィックスを使うLANでも、端末やアドレスごとに後半部分が異なります。
IIDは「端末に焼き付けられた永久番号」ではありません。一つのインターフェースが、用途や有効期間の異なる複数のIPv6アドレスとIIDを同時に持つことがあります。

プレフィックスとIIDを分けて読む
2001:db8:25:7::/64::35a2:91ff:fe08:4c102001:db8:25:7::/64::8d4e:2c51:70a1:926bMACアドレスをそのまま入れるとは限らない
初期の代表的な生成法には、48ビットのMACアドレスからModified EUI-64形式を作る方法がありました。しかし固定した機器情報が複数ネットワークで同じIIDとして現れると、利用者の移動を関連付ける手掛かりになります。
現在の一般的なOSは、プレフィックスなどの情報と秘密値からstable opaque IID(ステーブル・オペーク・アイアイディー/安定した不透明ID)を作る方式や、一定期間で入れ替えるtemporary address(一時アドレス)を利用します。画像を見ただけで、IIDから元のMACアドレスを逆算できるとは限りません。
安定性とプライバシーは、利用目的で選ぶ
同じサブネットへ戻ったときも変わりにくいIIDは、アクセス制御やログの追跡、着信を受ける機器に扱いやすい特徴があります。一方、外部サイトへ接続する送信元には一時アドレスを優先し、長期間同じIIDを見せ続けない実装があります。
「一時」は通信中に突然無効になるという意味ではありません。IPv6アドレスにはpreferred lifetime(プリファード・ライフタイム/優先使用期間)とvalid lifetime(バリッド・ライフタイム/有効期間)があり、新規通信への使用を先に止め、既存通信のための有効性を後まで残せます。
DADが確認するのは、完成したIPv6アドレスの重複
端末は新しいアドレスを通常すぐ確定せず、NDPのNeighbor Solicitationを使うDAD(Duplicate Address Detection/デュプリケート・アドレス・ディテクション)で、同じリンク上に同一アドレスがないか確認します。
DADは世界中でIIDが唯一であることを証明する検査ではありません。プレフィックスとIIDを結合した完成アドレスが、そのリンクで重複していないかを確認する仕組みです。
仕様の確認資料:RFC 4291「IP Version 6 Addressing Architecture」、RFC 7136「Significance of IPv6 Interface Identifiers」、RFC 7217「Stable and Opaque IIDs」、RFC 8981「Temporary Address Extensions」