RIRとは
RIR(Regional Internet Registry/リージョナル・インターネット・レジストリ/アールアイアール)は、一定地域でIPアドレスとASNの割り当て・管理を行う地域インターネットレジストリです。
インターネットで使う番号は、同じものを無関係な組織へ重複して渡せません。RIRは地域ごとの共同管理機関として、番号資源を登録し、誰にどの範囲が委ねられているかを追跡可能にします。
RIRは回線会社でも、IPアドレスを一台ずつ設定する窓口でもありません。大きな番号資源を地域内の事業者・組織へ配分し、その登録制度を運営する層です。

世界には五つのRIRがある
主にアフリカ地域の番号資源を扱います。
アジア・太平洋地域を担当し、日本もこの地域に含まれます。
米国・カナダなどを中心とする地域を担当します。
中南米とカリブ地域の一部を担当します。
欧州、中東、中央アジアの広い地域を担当します。
五つのRIRはNRO(Number Resource Organization/ナンバー・リソース・オーガニゼーション/エヌアールオー)を通じて協調します。担当境界は国名だけで単純に推測せず、利用地域と各RIRの公式案内で確かめます。
IANAから利用組織までの流れ
- IANAが世界全体を調整するIANAが未配分のIPv4・IPv6ブロックやASN空間を世界規模で管理します。
- RIRへ大きなブロックを配分する需要と世界共通の方針に基づき、地域レジストリの管理下へ番号資源を移します。
- RIR・NIR・LIRが地域内へ配る日本ではJPNICのようなNIRや、ISPなどのLIRを経由する場合があります。
- 利用組織がネットワークで使うISP、クラウド事業者、企業、大学などが条件に従ってプレフィックスやASNを利用します。
- 登録情報を維持する組織名、連絡先、範囲、経路の安全性情報などを変更に合わせて更新します。
配分と割り当ては同じではない
allocation(アロケーション/配分)は、受け取った組織が条件に従ってさらに下位へ分けられる資源です。assignment(アサインメント/割り当て)は、原則として受け取ったネットワーク自身が使う資源です。
ただし用語と手続きは資源種別・RIRの方針・時期で変わります。「WHOISに載っている組織が実際の利用者か」「上位事業者か」を、登録種別と階層まで見て判断します。
申請は早い者勝ちの購入ではない
番号資源は土地やドメイン名のような単純な所有物ではありません。申請者は利用計画、経路制御方針、既存資源の利用状況など、各方針が求める根拠を示します。RIRは要件を審査し、登録上の利用権と責任を委ねます。
IPv4は新規在庫が限られるため、待機リスト、回収資源、認められた移転制度が使われます。移転しても登録機関上の登録変更や経路の安全性の更新を欠かせません。
WHOIS・RDAP・RPKIの役割
| 仕組み | 分かること・行うこと | 分からないこと |
|---|---|---|
| WHOIS | 番号資源の登録範囲や連絡先を従来形式で照会 | 現在の通信内容や端末利用者 |
| RDAP | 登録情報を構造化データとHTTPで照会 | そのIPが安全かどうかの断定 |
| RPKI | あるプレフィックスをどのASNが発信元として広告できるか検証 | すべての経路方針や通信の暗号化 |
登録情報は運用連絡と資源管理の手掛かりです。住所の住民票のように、IPアドレスを使った個人を直接示すものではありません。
方針は地域コミュニティが作る
RIRの配分条件は職員だけで決めるのではなく、公開提案、メーリングリスト、会合、合意形成を通じて地域コミュニティが育てます。世界共通性が必要な事項は世界共通の方針として、五地域のRIRとICANNの手続きを結びます。
RIRは世界共通のIPアドレス・ASNを地域で重複なく配分し、登録と経路の安全性を支える共同管理機関です。接続サービスの提供者、端末の設定者、通信の監視者とは役割が異なります。
五つのRIRと役割:NRO「Regional Internet Registries」/RIR協調:NRO FAQ