eSIMとは
eSIMは、端末内の安全な領域へ通信契約情報をダウンロードして利用する、組み込み型のSIMです。一般にembedded SIM(エンベデッド・シム)の意味で、イーシムと読みます。
実際に端末へ組み込まれる安全な部品はeUICC(embedded Universal Integrated Circuit Card/エンベデッド・ユニバーサル・インテグレーテッド・サーキット・カード)です。そこへ通信事業者ごとのprofile(プロファイル)を安全にダウンロード・インストールし、選んだプロファイルを有効にします。
eSIMは「通信契約を自由に複製できるソフトウェア」ではありません。プロファイルパッケージは特定のeUICCへ暗号学的に結び付け、安全な配布基盤から導入されます。

eSIMを構成する六つの役割
電話番号、料金、利用可能サービスなどを事業者側で管理し、プロファイル発行へ結び付けます。
ネットワーク認証に必要な情報とUSIMアプリケーション等を含み、eUICC内で保護されます。
契約に対応するプロファイルを安全に用意し、認証した端末へboundプロファイルパッケージを渡します。
有効化情報を受け取り、SM-DP+との通信、ダウンロード、利用者操作を仲介します。
プロファイルを検証してインストールし、秘密を端末アプリケーションから隔離して認証計算を行います。
加入者記録とプロファイルを対応させ、回線停止・再発行・解約などを管理します。
有効化コードはプロファイル本体ではない
QRコードなどで渡される有効化コードは、端末がどのプロファイル配布サービスへ、どの契約を要求するかを示す情報です。通常、プロファイルの加入者秘密そのものをそのまま印刷しているわけではありません。
ただし未使用コードを第三者に渡すと、不正な端末から取得を試みられる可能性があります。公式画面で読み取り、画面キャプチャーや印刷物を不用意に共有しません。取得後も再利用可否は事業者の方針で異なります。
ダウンロードから利用開始までを分ける
端末はSM-DP+を認証し、SM-DP+側も正しいeUICCへ配布しているか確認します。暗号化されたプロファイルパッケージは対象eUICCへ結び付けられ、eUICC内で検証・インストールされます。
ダウンロード済みでも、まだenableされていなければ回線へ登録しません。複数プロファイルを保存できる端末でも、同時に有効にできる数や、音声・データで使い分けられる組み合わせは端末仕様によります。
機種変更はプロファイルの移動ではなく再導入になる場合がある
事業者と端末がeSIM転送へ対応すれば端末間の移行を案内できますが、旧端末のプロファイルをファイルとして複製するわけではありません。新しいeUICC向けプロファイルの発行、ダウンロード、旧プロファイルの無効化を安全な手続として行います。
旧端末を初期化する前に、新端末で音声・SMS・データ通信を確認します。回線を本人確認やアカウント回復に使っている場合、受信不能時間を見越して予備手段を用意します。
削除、停止、解約を混同しない
disableはプロファイルを保存したまま一時的に使わない状態、削除は端末のeUICCからプロファイルを取り除く操作です。どちらも事業者側の契約解約を自動的に意味しません。
端末売却時はプロファイルと端末データを削除し、通信事業者側の契約状態、残債、電話番号移行、再発行可否まで確認します。
consumer eSIMのremote provisioning、LPA・SM-DP+・eUICC・profileの確認資料:GSMA「eSIM Consumer and IoT Specifications」