BSSIDとは
BSSIDは、無線LANのアクセスポイントや無線インターフェースを識別する値で、通常はMACアドレス形式です。正式名称はBasic Service Set Identifier(ベーシック・サービス・セット・アイデンティファイアー)、読み方はビーエスエスアイディーです。
BSS(Basic Service Set/ベーシック・サービス・セット)は、802.11無線LANの基本的な通信単位です。一般的なインフラストラクチャーモードでは、一つのAPと、そのAPへ関連付けられた端末群が一つのBSSを構成し、それを識別する値がBSSIDです。
SSIDが利用者に見せるネットワーク名なら、BSSIDは端末が今どの無線セルへ接続しているかを区別する識別子です。同じSSIDでもBSSIDはAPや無線インターフェースごとに異なります。

端末の画面では一行でも、内部には複数候補がある
同じサービスやセキュリティ方針を表す名前として、複数APが案内できる
同じSSID、対応帯域、電波状態などを基に端末が接続候補を作る
通信中は一つのBSSへ所属し、移動時には別のBSSIDへ切り替えられる
一台の機器が、複数のBSSIDを持つこともある
一台のアクセスポイントが、社内用と来客用など複数のSSIDを提供するとき、仮想的なAPごとに異なるBSSIDを使えます。また2.4GHz、5GHz、6GHzの無線インターフェースは別のBSSIDを持つのが一般的です。
そのため、機器の底面に印刷された有線側MACアドレスと、観測したBSSIDが完全一致するとは限りません。メーカーは基準となるアドレスから複数値を割り当てたり、複数BSSIDを効率よく案内する仕組みを使ったりします。
ローミングでは、SSIDを保ったままBSSIDを替える
端末が建物内を移動し、現在のAPより別のAPの方が適切だと判断すると、同じSSID内の別BSSIDへ再関連付けします。利用者の画面には同じネットワーク名が表示され続けても、無線の接続先は変化しています。
切り替えの速さは、電波強度だけでは決まりません。端末のしきい値、候補探索、認証、AP間の設定整合、802.11k/v/rなどの支援機能が影響します。同じSSIDにすることはローミングの前提を整えますが、無停止を保証しません。
MACアドレス形式でも、利用者や機器本体の永久IDとは限らない
BSSIDは通常48ビットのMACアドレス形式ですが、規格上の生成方法や仮想APの構成によって、製品本体に一つだけ固定された値とは限りません。管理されたネットワークではBSSID一覧から設置APを対応付けられますが、形式だけを見て所有者や安全性を断定できません。
また、端末側がプライバシー保護のため送信元MACアドレスをランダム化する機能と、AP側のBSSIDは別の話です。調査画面では「端末のMAC」「BSSID」「有線ポートのMAC」を区別して読みます。
仕様の確認資料:IEEE 802.11-2024「Wireless LAN MAC and PHY Specifications」、IEEE 802-2024「Overview and Architecture」